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ワーグマン日本素描集 (岩波文庫)

ワーグマン日本素描集 (岩波文庫)

ワーグマン日本素描集 (岩波文庫)

作家
清水勲
出版社
岩波書店
発売日
1987-07-16
ISBN
9784003355916
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ワーグマン日本素描集 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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ホークス

ワーグマンは漫画の祖の一人らしい。幕末から明治の修羅場を経験した画家で、日本人と結婚して子供もいた。本書には漫画からスケッチ迄の素描が多数掲載されている。出っ歯でチビの日本の男たちが、流行の眼鏡をかけて似合わぬ洋装で偉そうに闊歩している図は痛烈だ。何でも欧米の真似をする風潮への皮肉だが、バランスにこだわっていられなかったであろう国情を考えると気の毒にも思う。一方女性の描写は魅力の捉え方が鋭い。給料が少なくて散髪できず、ボサボサの長髪姿の警官は、現代の貧乏学生みたいで面白い。ブックオフで100円はラッキー

2016/05/29

壱萬弐仟縁冊

岩波文庫にもマンガがあるのか? と錯覚する頁もある本。何より当時の時代、世相が垣間見れるのがいい。時代劇というか、タイムスリップしたかのような日本人の姿がここにはある。外国人観光客にも見せてやりたいので、できれば英語版とかあるとよいのかも。線画もペン、筆ペン、版画、墨絵のようなタッチもあって多彩な表現法を駆使。1872年、牛肉、ビールで一人前に見なされると考えた馬鹿鳥(98頁)は、欧米から馬鹿にされる日本の諷刺画。悔しいよ。団団珍聞(まるまるちんぶん)はパンチ誌を真似た本邦初の活版刷雑誌で1877年創刊。

2014/01/31

そうたそ@吉

★★☆☆☆ ビゴーからの流れでこの本も手に取った。ビゴーはかなり知られているが、ビゴーよりも先に来日し数々の絵を残したこのワーグマンはほとんど知られていない。個人的にもこの本を手に取るまで知らなかった。正直、イラストの親しみやすさという点からするとビゴーにかなり劣る。そもそもビゴーとワーグマンの絵のタイプは全く別々のものかと思う。ワーグマンの方がよりリアルかつ写実的に被写体を描いている。時に風刺的なものもあるが、ビゴーほどではない。本書の構成的な部分で言えば、掲載される絵が少し小さすぎて見難いのが難点。

2013/08/29

Ted

'87年7月刊。明治の日本および日本人を風刺を効かせて1コマで伝えたポンチ絵集。有名なビゴーの陰にすっかり隠れてしまっているが、彼の方が来日も(江戸末期からと)早く、キャリアも歳も先輩なので、実は彼こそがパイオニアなのだ。「メガネに出っ歯」というステレオタイプな日本人像を描いたのも彼が元祖。「藁のレインコート」「四角い食事」「二頭児」等、ガイジンならではネーミング感覚が新鮮で可笑しい。現地妻を娶ったところまではビゴーと一緒だが、彼の感心な点は永住を決意したことだろうか。横浜のガイジン墓地に今も眠っている。

2012/06/05

かつみす

暑くて暑くて頭が働かなくても、こんな本なら読める。なにせ大半が絵なのだから。ワーグマンは幕末維新の切り替わりの時期に来日し、激しく移り変わる時代をつぶさに絵に描き留めたイギリス人。生麦事件などの歴史を変えた大きな出来事から、庶民の暮らしぶりまで様々。風刺画もあるけれど、市井の女性を描いたペン画は細やかで温かみがあり、こうの史代のタッチを思わせる。江戸時代や幕末を題材にした漫画はたくさんある。だけど、実際に自分で目撃した光景を絵にしている漫画家などいない。そんな風に考えながら眺めていると、感慨がわいてくる。

2018/07/16

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