報道写真家 (岩波新書 新赤版 87)
報道写真家 (岩波新書 新赤版 87) / 感想・レビュー
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報道写真家としての著者の軌跡を追う。水俣病の衝撃から報道写真家への歩みをはじめ、鮮烈なデビューを飾る。引き続き20世紀半ばの韓国、ベトナムと激動の時代を写してきた。時代へ食い込もうとする著者の姿勢が映した数多くの写真と、その現場に接してきた生々しい体験談が報道写真家とは何かが迫力をもって迫ってくる。著者は次のようにいう。「写真家の審美眼は、社会や政治、また歴史に対する問題意識や価値観、洞察力などで裏打ちされる必要がある」これを満たした写真の訴求力を凄さを改めて実感する。
2016/08/03
takao
ふむ
2024/04/01
KJ
一人の青年が、偶然出会った写真と活字に強烈な衝撃を受け、止めどない衝動のままに突き進んでいく。その描写を目にした時、自然と体の芯から熱くなるのを感じた。写真に一体何が出来るのか?その答えは、全てここにある。真に力のある写真とは、自ずと人を突き動かす。得てして撮る側が撮りたいものは、撮られる側にとっては撮られたくないものである。その狭間で苦悩しながらも、狩人の如く目指す被写体に迫っていく「報道写真家」。シャッター押す事は誰にでも出来るが、そこに人の心を動かす像を結べるか否かは、まさに人間力の勝負なのだろう。
2014/06/26
sasha
一瞬を切り取る。そこには見る者に訴えかけるものが多くある。水俣を皮切りに、韓国、インドシナ。報道写真家として著者が歩んだ軌跡を追い、報道写真家とは何かを考えさせてくれる。
2013/02/11
おらひらお
1989年初版。写真はある一瞬を切り取ったものともいえるが、そこに含まれる情報は大きいことがわかる。しかし、被写体には良くも悪くも影響を与えるようだ。本来は承諾を得なくてはならないが、非常時には全く行われていないという。それでは街頭の監視カメラはどうなるのだろうか?
2010/10/31
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