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習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書)

習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書)

習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書)

作家
林望
出版社
岩波書店
発売日
2017-05-20
ISBN
9784004316633
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あらすじ

2017年秋の党大会で,折り返し点を迎える習近平政権.経済成長が鈍化し,共産党がその支配の正統性を問われるなか就任した習は,外交・内政で豪腕をふるい,党の「核心」と称揚される存在にのぼりつめた.だが,言論が統制され,ライバルも不在の一強体制には危うさも潜む.結党・建国百年に向け,習が見つめるものはなにか.

習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書) / 感想・レビュー

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曲月斎

読み終えて感じること。「歴史は2度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という言葉だ。この国は2度目どころか、この警句を何回も繰り返してきた訳で、今の習近平もまた軛から逃れることはない。「士庶の別」と「華夷の別」。本書を通じて、この2つの概念を乗り越えることはかなり難しいのを実感した。と同時に時代はこの国に別の役割を求め始めている現実。一強だったはずの米国が漂流を始めた中、党の下に国家があるという体制がどこまで維持できるのか。事実を積み上げた書きぶりならではの説得感が残る。大丈夫なのか、と。

2017/06/03

樋口佳之

憲法にその名が書かれるらしいという報道で積ん読状態解消/中国の封建体制を否定することで政権を取った共産党だが、その思考が伝統的な政治文化の影響を受け、実際の政治制度にも反映されるのは不思議なことではない。皇帝も科挙ももはや存在しないが、王宮に出入りすることを許された一握りの「選良」たちが億万の声なき民を導くという構図は大きく変わっていない。/「彼は毛沢東でもあり、鄧小平でもあろうとしている」/趙紫陽が自ら天安門広場に赴き、学生らに会って「我々は来るのが遅すぎた」/西郷どんの「しもた」思い出し

2018/01/21

skunk_c

中国の統治機構は政府ではなく世界最大規模の「党」であり、その頂点に立ちそれを御しているのが習近平だ。毛沢東、鄧小平と同じ「核心」と並び称せられた習のもつ権力の巨大さは言うまでもない。しかしそれが同時に13億の中国民衆の支持を得ているという保証は、日本のような間接民主制の下でのゆがんだ選挙で確立された政権以上にないのだ。この「党」と世界一多様・多義的な「民衆」の関係を、どこまで強権的におさえきれるのか。あるいは我々の常識とは異なる形での「柔軟さ」が中国政治にはあるのではないか。そんな読後感を抱いた。

2017/06/03

さとうしん

習近平の評伝的なものかと思いきや、雑記的にいろんな話題を詰め込んでいる。習近平の抱える問題意識とともに問題点を描き出すなど、比較的「冷静」で「中立的」な論調になっているように思う。習近平が国家主席となる際に、前任の胡錦濤は江沢民の振るまいを意識して「完全引退」を宣言し、すべてを習に委ねるという姿勢を示したということだが、「七上八下」のルールを無視して現役続行を窺うような態度は、その誠意に応えることになるのだろうか。

2017/07/15

ごんちゃん

現代中国入門書かな。新聞記者の文章だからか、とても読みやすい。太平洋挟んだお隣りさんについては情報豊富だけど、日本海側のお隣さんについては、どーも情報がオープンじゃないので、国の仕組みが分かりにくいと思っていた。この本はその疑問にだいぶ答えてくれました。良書だと思います。

2018/08/12

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