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定本 昔話と日本人の心〈〈物語と日本人の心〉コレクションVI〉 (岩波現代文庫)

定本 昔話と日本人の心〈〈物語と日本人の心〉コレクションVI〉 (岩波現代文庫)

定本 昔話と日本人の心〈〈物語と日本人の心〉コレクションVI〉 (岩波現代文庫)

作家
河合隼雄
河合俊雄
出版社
岩波書店
発売日
2017-04-15
ISBN
9784006003494
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「定本 昔話と日本人の心〈〈物語と日本人の心〉コレクションVI〉 (岩波現代文庫)」のおすすめレビュー

日本の昔話に「結婚してハッピーエンド」が少ないのはなぜ? 昔話から探る日本人の「心」

『定本 昔話と日本人の心』(河合隼雄:著、河合俊雄:編/岩波書店)

 海外の昔話の定型には、「男性が困難を乗り越え、女性と結婚する」というハッピーエンドが多い。一方で日本の昔話は、それが限りなく少ない。「浦島太郎」「かぐやひめ」などは、男女が出会っても結婚はせず、終わり方もハッピーエンドとは言い難い。また、「鶴の恩返し」の場合は、結婚から物語が始まるが、別れをもって閉幕となる。

 この違いは一体、何なのだろうか?「文化の違い」と言ってしまえば、それまでだが、その文化が生まれた理由に、「心の在り方の違い」があるのではないかと考えることができる。『定本 昔話と日本人の心』(河合隼雄:著、河合俊雄:編/岩波書店)は、「深層心理学の立場に立って」「日本の昔話と海外の昔話を比較検証してみることで」「日本人の心の在り方を見出そうとする」学術書である。

 本書の内容とズレが生まれてしまう可能性もあるのだが、記事にするにあたり、敢えて簡略に結論を述べてしまうと、「昔話」からは「自我の確立の過程」がうかがえるのだ。そして、西洋の昔話では「結婚」が「自我の確立」において重…

2017/8/8

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定本 昔話と日本人の心〈〈物語と日本人の心〉コレクションVI〉 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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晴間あお

読もうと手に取ってから定本ではないものを持っていた事に気づいたが、これも縁と読む事に。読むのは3回目。でもだいぶ内容を忘れている。すると、本書の『手なし娘』の記述を読んでびっくり。現在放送中のアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』だ。あれって元ネタは『手なし娘』だったんだ。いやあ、おもしろい。これがユングの言うシンクロニシティか(?)。昔話は現代の心にも通じるものがあって、だからこそ昔話を元ネタに新しい物語も作られる。昔話や神話の構造を使った映画がヒットしたりする。本書は物語論としても興味深いと思う。

2018/01/22

Mark

欧米の人たちの考え方や価値観のようなものは、直接彼らと話したり間接的に書籍や報道を通して知るなど、不十分ではあるが自分なりの観察イメージはある。我々日本人とは明らかに異なっているとは思うのだが、その相違の原点には何があるのかについて、ヒントを与えてくれる偉大な著作だと思う。 欧米の「父権的意識」が完全性を求める一方で、日本的な「女性の意識」は、悪をも包含する「全体性」を求める。数々の「昔話」を示しながら、自分の内面に漂っているつかみどころのない「何か」をうっすらと感じさせられたように思う。

2018/08/10

酢豚

面白かった!難しかったけど(笑)深層心理を象徴する昔話から日本人の心象を探る試み。ゼウス神に象徴されるように西洋では太陽の象徴は男性なのに対し日本ではアマテラス神が象徴する女性。日本は母性文化。 浦島太郎とか、あの話なんなの、って思うような昔話も河合先生の解説でなるほどと唸る。 だから根本的に西洋文化とは違うのよね。異文化を理解して尊重しあえたらいいね。お互いに。

2017/09/20

kuppy

日本の昔話は、途中冒険譚があっても最後には無(現状維持)に戻っていく。心理学の領域では、完全な三位一体に母の要素が加わるスクエアーな関係となる。おじいさん→母→息子(ちょっと頭の弱そうな)、日本の民話に出てくる組み合わせの不思議さ、おじいさんが主役級な話は西洋にはほとんど出てこない。

2017/07/12

Ryuka

①日本人を理解するにはもってこいの本です。 人間には色んな段階があるということがわかる。 そして自分やパートナーや周囲の人間がどんな段階にいる人なのかということと、周囲の人間関係の中でどんな役を担っているのがが物語的に分析できる知識を得れます。 ②個人的には一章から九章を通じて日本の女性の生き方を表しているのに感動を覚えた。意志する女性の逞しさには深く尊敬の念を抱くと共に、僕は彼女らと釣り合う英雄的段階を得た男性になりたいと思う。

2019/06/30

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