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無冠の父 (岩波現代文庫)

無冠の父 (岩波現代文庫)

無冠の父 (岩波現代文庫)

作家
阿久悠
出版社
岩波書店
発売日
2018-07-19
ISBN
9784006022990
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無冠の父 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

阿久悠さんの実父を書かれた物語です。淡路島の駐在署の巡査であった人物が戦中戦後にどのような考え方を持っていたのか、どのような行動をしたのかが作者の子供と父親との関係から紡ぎだされています。私などは作詞家としての筆者が有名になりすぎている感じですがこのような作品がもう少し読まれてもいいのではないかと感じました。いい本でした。

2018/10/13

naotan

良い本でした。終戦の日、父と詠んだ俳句のエピソードに胸が熱くなりました。

2018/12/14

n.k

今まで読んだ「家族」に関する読物のなかで、最もリアリティがありそして私の好みだった。「その時どう思っていたか」と「今振り返ってみてどう思っている」を整理して書こうとする意図がかなり読み取れるので、信用できる。過去を大袈裟にドラマチックに「あれが俺の分岐点!」みたいに書いちゃうやつは恥ずかしくて苦手なので。昭和の家父長制も誇張されエンタメになっちゃってるものがよくあるが、本作はその類ではない。巡査の父と息子の静かな関係が、飾らない言葉で綴られている。月並み感想だが、流石作詞家と何度も思わされる美しさだった。

2023/03/15

よし

こんなすごい本が未発表作品とは。執筆から15年後、死後になって刊行されたいわく付。読んで深く心にしみた。一警察派出所勤務で定年を終えた父。「恥」を嫌い一徹を通した父の生き様。終戦の8月15日の「長かった夏の1日」の出来事。「急いで帰って、父や母に会いなさい」と悲痛な思いで言う校長。直立不動で立っていた間を這う蛇・・。この本が読めてとても幸せだった。阿久悠から眼が放せなくなった。

2020/08/21

イカカイガカ

作詞家にして小説家でもある阿久悠が、田舎の駐在所の巡査として生涯を送った自身の父について描いた小説。無骨なまでに自分の中の正しい姿を忠実に守って生きた父の人生。また、そんな父と自身や家族とのやりとり、その中で抱いた感情。それらを綴る文章が良い。読ませる。また、それらを考察する視点が良い。紋切型でなく独特な切り口がある。一人の男、または一つの家族を語った物語だが、長嶋有氏のあとがきにも書かれている通り、昭和という時代がきっくりと描かれている作品とも言えるのかもしれない。

2020/02/27

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