さだの辞書 (岩波現代文庫 文芸356)
さだの辞書 (岩波現代文庫 文芸356) / 感想・レビュー
あんどうれおん
岩波書店の月刊誌『図書』に連載されたエッセイ集。文庫版の発表にあたって追加された二編や春風亭一之輔さんの軽妙な「解説」など、全体的に華やかな一冊です。本業の音楽にとどまらず、落語や俳句や人々とのご縁にまつわる話題が、独特のテンポとバランス感覚を駆使した名文でつづられていると感じました。文学や神事についての記述からも、多くのことを教えていただけたと思っています。あらためて、いろいろなことを学びたい気分になりました。とにかく名著です。
2024/02/06
ふじのはな
さだまさしさんの曲は聞いたことあるけれど、島を持っていたり、映画を作っていたり、という話は知らなかった。人に歴史あり。文章はわかりやすいけれど、漢字が読めないことが多く、辞書片手に読み進めた。『購う』とか『繙く』とか。さすが文学好きで、歌詞を書かれる方だなぁと思った。
2024/02/25
く~まにゃん
沢山の影響力のある人物とのふれあい。紡ぎ出す詩、曲の素晴らしさ 流石です。
2024/03/11
sakwai
著者の言葉は時に正論すぎて、その善意を押し付けがましいと感じる人もいるだろう。あるいは偽善に見えることも。しかし本人が「偽善活動」と笑い飛ばしているように、その発露に仮に邪な感情があったとしても、その行動で救われている人が存在するなら、むしろ偽善上等とも思うのだ。とにかく筆者は誰とでも会いどこにでも行き何にでも首を突っ込む。その行動力或いは好奇心たるや、これほど濃密な人生を生きることが余人に可能だろうかと思わせるほどだ。そしてエピソードの再現度が尋常でない。驚くべき記憶力。労苦も含めてある意味羨ましい。
2024/04/05
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