ファンタジーを読む (岩波現代文庫 〈子どもとファンタジー〉コレクション 2)
ファンタジーを読む (岩波現代文庫 〈子どもとファンタジー〉コレクション 2) / 感想・レビュー
佐島楓
なぜファンタジーが人間の根幹に関わるような要素を持っているのか、本書を読むことで少し理解できた。書き手としては、このようなガツンと来るファンタジーはどうやって発想されるのかについて考察を深めたい。ポール・ギャリコ、名前しか知らない作家だったが読んでみたい。
2019/01/10
南北
心理療法家の著者がファンタジーを読み解いた本。著者はファンタジーが「たましいの真実」をそのままに伝えているとしている。語り口もうまく、読んだことのない本も内容が伝わってくる。取り上げられた作品の中では「トムは真夜中の庭で」を読んでみたいと思った。日本のファンタジーが取り上げられていなかったのは少し残念だが、今後読むときに著者の提示してくれた観点で読んでみるのもおもしろいと思った。
2021/06/25
井月 奎(いづき けい)
ファンタジーが伝えることは星のように数多くきらめいています。著者はその中から、「たましい」を伝え、表す文芸としてとらえているように思えます。心理療法士らしいアプローチでのガイドブックでもあり、これを読んでから取り上げた作品を読んでも良いですし、逆でも良いでしょう。作品への洞察が深くなり、たましいや夢が人や、人の関係にあたえる影響が少しわかるかもしれません。日本発長編ファンタジーの不毛を嘆いていた著者がもう少し長生きして、上橋菜穂子を読んだならどのように激賞したのでしょう。想像しただけで楽しくなります。
2017/03/13
ヒダン
心理療法家による子供向けファンタジーのブックガイド。いずれも海外の多分有名な人の作品を取り上げている。本の紹介よりも序文が白眉だった。心と体に分けて考えてその仕組の知識があっても大したことはない。心と体が合わさって「いのち」ある存在たらしめる「たましい」の存在を仮定してみてそれを知ろうとするのだ。児童文学には「たましいの現実」がよく反映しているので職業的に必読の書らしい。これを読めば実際に読まなくてもいいんじゃないかと思ってしまうほどしっかり紹介されている。
2016/08/14
sheemer
図書館本。どこかでキャサリン・ストーの「マリアンヌの夢」を知り、探しているうちにこの本に辿り着きました。そのストーリー自体はこの本では読めなかったんですが、ゲド戦記の解釈で自分が気づかなかったことなどが指摘されていて、面白く読めました。ゲド戦記再読しよう。
2023/07/17
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