KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

おはなしの知恵 (朝日文庫)

おはなしの知恵 (朝日文庫)

おはなしの知恵 (朝日文庫)

作家
河合隼雄
出版社
朝日新聞社
発売日
2003-12-12
ISBN
9784022643216
amazonで購入する

おはなしの知恵 (朝日文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

佐島楓

個人的にアイヌの昔話が一番興味深かった。さまざまなコンプレックスの象徴のような気がした。日本的な家族の在り方、女性の在り方と同時に海外の民話との比較もなされている。

2012/05/25

フローライト

【課題図書】昔話から見る西洋諸国と日本の相違点。こんなにも如実に現れるとは……。私は小さい頃”笠地蔵”の話が大好きで、何度も母に読んでもらっていた(らしい。母談)笠地蔵は老人が主役で若い男女など影すら見えない。正に典型的な日本の昔話だったのだなあとしみじみと思った。私は沢山の昔話を耳にしながら育ってきたような気がする。私たちはおはなしに支えられている、というのは強ち間違えていないだろう。

2015/01/22

木ハムしっぽ

昔話や童話を引き合いにヒトの深層心理に迫る本書。『白雪姫』に代表されるように西洋のお話では継子いじめが多くある。グリム童話の研究によると、実は元々は実子だったらしい。実母ではあんまりだと言うことで継母が登場したのだと。ニュース報道で時々賑わす実子への虐待は、ヒトが本質的に持つ深層心理の現れなのかも。『絵姿女房』の項で語れる夫婦関係に関する考察にもハッとした。夫婦関係を続けていくには「変身」しなくてもならないと。気心知れた良さと、新しい発見や発展があるから良いという矛盾を両立させるから長年一緒に居られると。

2024/02/09

うりぼう

物語ることによるカタルシス。物語ることによる癒し。物語は、心の深層と表層を繋ぐ架け橋。深層と表層が切れたとき、人は壊れる。だから、神話は連綿と続く。

2004/05/14

この本に書いてあるように、母性には限りなく子供を慈しむ側面と、子どもを憎み死すら願う側面があるとすれば、現代社会は「母」という存在に慈しむ“善”だけをひたすらに強いているのではないか。昔の人は自分の中の悪を継母のかたちにしてなんとか心の均衡を保ったが、おはなしを持たない現代人はどうすればいいのだろう。本自体はとても読みやすく、一気に読めた。

2012/03/30

感想・レビューをもっと見る