読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

富子すきすき (朝日文庫)

富子すきすき (朝日文庫)

富子すきすき (朝日文庫)

作家
宇江佐真理
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022-05-06
ISBN
9784022650436
amazonで購入する Kindle版を購入する

富子すきすき (朝日文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

えりまき

2022(146)お久しぶりの宇江佐さん。しっとしとした短編集。「藤太の帯」と「柘榴の家」はちょっとリンク。吉良上野介は赤穂浪士の討ち入り事件でしか知らないけど、奥さんに「富子、すきすき」と囁く「2人の秘密」に人間味を感じてほっこり。「花魁とは『おいらの姉さん』を縮まった言葉」とは、知りませんでした。梶よう子さんの宇江佐さんへの愛に溢れた解説も素敵です。

2022/06/18

山内正

着飾ったおかなが一緒に行く? 藪入に二人面倒見て貰った鎮五郎 の家へ  てぇした挨拶するもんだと鎮五郎が喜んだ  金の受取の帰り橋におかなを見た あたし顔も良くないし色気もないしお喋りで馬鹿だからと兄ちゃんと呼んでたのに弥助さんといつからか おかなの噂が秋に、後妻になると 派手な小袖に白粉塗り紅の似合わないおかなを見掛けた  女郎の年季が明け女房にした 鎮五郎が死んだと駆付け 三つの子がいた、おかなが置いていったと 名はなんて言うんだい 弥助?連れて帰ろうかなと女房が やっと胸のつかえが降りた気が

2022/06/01

山内正

病気ばかりのおゆみが古着屋で黒い帯を買い求めた後で静かに息を引き取った            おくみが預って好きな人と長崎に行くことに          おたよに黒い帯が 父の子でないと疎まれ兄の祝言の日に父から怒鳴られ母の執り成しも聞かずに  この戯け者と叔父から叱られ納まった 次におくみに黒い帯を持って行く 部屋は散らかり何する気がしないと  娘達の女師匠の元に戻るが 又譲って欲しいと古着屋が訪ね  娘さんにいい事が起こるやもと どうせ戻るかも知れない帯を

2022/05/25

McLean

表題作が吉良上野介の妻の話で、上野介が妻富子にそう囁いたというのはフィクションとしても面白い。ただ武家の世界を描いたのはこれ1編で、あとはいずれも町人の世界で、どの話も心に沁みる。4編は男の主人公だが、全6編を通して著者の描いているのは女性の決断、毅然とした生き方だと言えようか。「辰巳芸者は意気地と張りが身上で、日本橋や柳橋の芸者と趣を異にしていた」という心意気だ。特に「おいらの姉さん」の花魁とそれを取り巻く群像劇には殆ど泣かされた。私も江戸時代の人間になりたいとさえ思ってしまう。所詮空想の世界なのだが。

2022/05/23

感想・レビューをもっと見る