『峠』慶次郎縁側日記 (朝日文庫)
『峠』慶次郎縁側日記 (朝日文庫) / 感想・レビュー
ふう
人の心は厄介なものです。どうすればいいのか、立ち止まって考えればいい方法が見つかるかもしれないのに、刹那の感情に衝き動かされて危うい方へと足を踏み出してしまいます。他人事ではなく、善良な人の心の中にも多少の違いはあれ毒があり、毒を意識せずにいられる人は運がいいのかもしれません。重い気持ちで読み進め、最後にめでたしめでたしの裁きが待っているわけではなく、あなたならどうするかと問いかけられているような作品でした。
2023/08/14
オールド・ボリシェビク
新潮文庫からでていたシリーズを、朝日文庫より再刊したという。江戸定町廻同心を隠居した森口慶次郎を主人公にしたシリーズだが、これはそれの第4弾だった。最初から読まないと、登場人物の造形などがわからない。どうりで、最初から人物が勝手に動いていやがると思ったが、こちらが悪かった。ただまあ、この作者、すっとフェイドとするようなあっさりとした幕引きがあると思えば、ねちっこい描写もあって、どうにも私には読みづらさもあるのだが、これもシリーズ第1作から読んでいけば解決するか。
2023/07/13
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