『蜩』慶次郎縁側日記 (朝日文庫)
『蜩』慶次郎縁側日記 (朝日文庫) / 感想・レビュー
オールド・ボリシェビク
それでも北原亜以子、読みだすと癖になって、ついつい、読み進めてしまいます。巧い作家だね。市井に暮らすそれぞれの人々が陥ってしまったちょっとした「悪」が、巡り巡って元同心の慶次郎もとに流れ着いて、人情味ある落としどころにおとす。どの短編も、練りに練られた伏線が最後になってひょいと回収される技が効いていて、心憎いほどだ。てえしたもんだぜ。
2023/07/27
感想・レビューをもっと見る