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月夜の森の梟 (朝日文庫)

月夜の森の梟 (朝日文庫)

月夜の森の梟 (朝日文庫)

作家
小池真理子
出版社
朝日新聞出版
発売日
2024-02-07
ISBN
9784022651372
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月夜の森の梟 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

亡き夫との想い出を綴ったエッセイ。文庫化で読み返してみた。「おしどり夫婦」と言われるのが、二人とも嫌いだったそうだ。時折、夫婦喧嘩もされた由。作家夫婦ー言葉での論争は凄まじかった。「血管が切れそうなほどに腹がった」こともあったようです。言葉を操る作家同士の口論、立ち会ってみたかった。「喧嘩するほど仲が良い」とも言いますから…。最後の晩餐、テレビを見ていた夫が「ステーキを食べたい」と言う。食欲がなかった夫が…、奥さんが精魂込めて焼いた40gのステーキを完食したとのこと。息を引き取る三日前の朝だった。【合掌】

2024/03/15

ぼっちゃん

夫で作家の藤田宜永さんを亡くされたことを中心に書かれた喪失エッセイ。作家同士だがお互いリスペクトされ、愛し合っておられたのがわかるエッセイで、本当に美しい文章のエッセイだった。

2024/03/06

uuuccyan

小池真理子さんの、夫である藤田宣永さんが亡くなった後の深い喪失と哀しみのエッセイ。夫婦もどちらかが先に逝きどちらかが残される。残された寂しさを文章で表現するのはとても難しいと思うのだけど、さすが作家、美しく静謐な文章にものすごく心揺さぶられた。文章を書ける人が羨ましい。書くことで寂しさが紛らわせるわけではないが、きっと心の整理にはつながると思う。

2024/04/11

shi-

小池さんの本好きでしたが、これを読んで小池さん自身のファンになりました。 ここに書かれていることが小池さんの本当の心の一部分だとは思うけど、自分の心の中、大事な人を失ってしまった喪失感、何て上手に、綺麗な文章で表現される方なんだろう?と改めて小池さんの凄さを知りました。

2024/03/05

オサム兄ぃ

直木賞作家同士のカップル。37年間連れ添った末、肺ガンで先だった夫を思う妻のエッセーは、身も心も引き裂けるような悲しみの言葉に満ちている。周囲から「もう泣かなくなったでしょ?」と声がでるほど時間がたっても、喪失感が埋まることはなく、何を見ても何をしても故人の記憶が呼び起こされる。この上なくウエットなのだが、読後の印象は不思議と静謐だ。高原の静かな森で文章が綴られ、自然や動物たちに視線が向くことが慰めになるためのかも知れないが、悲嘆するのも生の証であり、生きていく力を引き出すことがあるのではないか。

2024/03/11

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