KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

リスクを生きる (朝日新書)

リスクを生きる (朝日新書)

リスクを生きる (朝日新書)

作家
内田樹・岩田健太郎
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022-03-11
ISBN
9784022951656
amazonで購入する Kindle版を購入する

リスクを生きる (朝日新書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

きみたけ

著者は、神戸女学院大学名誉教授で昭和大学理事の内田樹先生と、神戸大学大学院医学研究科教授で感染症対策のスペシャリストの岩田健太郎先生。前作「コロナと生きる」から1年半が経ち、コロナの第五波と第六波の合間となったいま再び哲学者と医者が対談。孤独が蔓延る競争社会、空洞化する高等教育、査定といじめの相似構造、人口減に対応できない資本主義など、感染症が可視化させたリスク社会について語りあっています。岩田先生の媚びないスタイル、好きですね。

2022/09/08

けんとまん1007

不知の知という言葉を想い出した。知らないということへの恐怖ななのかと思う。結果として、表面的なことを搔き集めることに終始し、近視眼的・短絡的になってしまう。自分を安心させるために、周囲と比較し、自分のポジションを確認するだけ。この前に読んだ、千葉雅也さんの現代思想入門とも響きあう。二項対立で白黒つけて安心してしまうことの危うさの結果が、今の状況だと思う。また、時によってはスピード・できることから始めることを優先するとか、合気道では競わないということ。このあたりからの気づきも多い。

2022/10/17

肉尊

対談とあって、サクサク読み進めることができたが、話の内容が右往左往している感じがした。タイトルにあるように、コロナ禍とリスクについて、私が思うのは「自己責任」という名の責任転嫁。PCRもワクチン接種も自己責任。結局、ワクチンを打ったからといって感染しないわけではない。コロナ初期の頃に比べ、様々な方面でマニュアルが確立されたが、強権的になると、国家転覆の可能性を孕むということも考えられる。以前、風邪を引いたときに同僚からコロナだと言われ避けられることがあったが、この病は人の絆も破壊せしむるのだろうか。

2022/12/12

Twakiz

すごいお二人の対談で,テーマはコロナから政治や教育やいろいろなところに寄り道.筋書きなく話してこのように広がるのはさすがの博識ぶり.岩田先生は帰国されてすぐの頃と比べてだいぶ印象が変わった.書かれる文章にも内田先生の語彙からの影響が多く見て取れる(誤謬とか瑕疵とか●●を嚆矢とする,や●●を奇貨として・・など)個性的で賛否両論あるが口先だけでなく行動力もある方.内田先生はいつも「聞いたことのない話や考え」を提供してくださる常に読むべき著者のお一人.「書斎の本棚は自分の無知の可視化」なるほどねぇ..

2022/07/10

tokko

コロナ社会が前景化したおかげで、それまで見えにくかったものがよりクリアに見えるようになりました。まず査定、序列社会。全体の中の相対的な位置を知りたがるという無意識的な傾向が作り出す脆弱な社会を、コロナは可視化しました。現場判断を許さない指示系統やブルシットジョブが、どれだけ危機的状況と食い合わせが悪いのかがよくわかります。それとメディアの断定的な物言いの危うさ。人は知識があればあるほど断定できないものです。けれど、今のメディアでは留保や仮定を受け入れ難い。いつからこんなにバカになったんだろうというくらい。

2022/04/26

感想・レビューをもっと見る