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おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

作家
宮部みゆき
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-04-25
ISBN
9784041002810
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おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

とある事情で、叔父の営む三島屋で生活するおちか。消せない心の重いわだかまりを抱えて生きるおちかに、叔父の伊兵衛は訪ねてくる客の応対を任せる。語られるそれぞれの不思議な話し。江戸の世も、現代も、人と人が交わって生きていることに変わりはない。この作品で描かれている様々な人間の感情は現代にそのまま置き換えることが出来る。嫉妬、憎しみ、羨望、宮部みゆきさんの筆力で描かれる人の感情の質感に圧倒される。不幸や過ちがあっても、全てが駄目になる訳ではない。悲しみから立ち上がり、歩き出す明日がある。胸を打ち読ませる名作。

2017/10/22

酔拳

目の前で結婚するはずだった旦那を、兄弟のように一緒に育った男に殺される娘が主人公。 娘は心に病みを持ち心を閉ざすのだが・・・三島屋で世話になることになり、そこで主人から、お客さんの話の聞き役になってくれと頼まれ、話を聞くことになるのだが・・・ 話を聞くうちに、お客さんの心の病みを治し、また娘の心の病みも徐々に治っていく・・・ 怖い話(怪談)であるけれど、人の心の病みを描いた作品でもあります。

2017/07/14

雪風のねこ@(=´ω`=)

宮部さんは相変わらず読み易い。作中、見蕩れると言う表記が出てくるが、それに併せるら、読み蕩れると言って良い。それほど魅力的だ。おそろし、と言えるのは人の心である。あの土蔵の屋敷も人の心に、在る物では無いか。そう思う。おちかが聞き手となりその重荷を外させる事で過去の怨恨をやっと消し去る事が出来る。成仏できる。考えてみれば、亡者が成仏できないのは、実は生者が挽き掴んで放さないからなのでは無いか。そう言い表している様にも感じる。

2017/09/09

ちなぽむ

【図書館本】結局死んだ人を恐ろしく不気味なものにしてしまうか、優しく悲しいものにするのかは、受取手である生きている人次第なのかとしみじみ思う。もはやいなくなってしまった人を悼む行事で、少しずつその人の不在を心に落ち着かせていく、日本の営みや行事の良さなんかも。 一方で「凶宅」のように人の手ではどうしようもない、畏怖すべき存在なんかも共存していて。ライトな語り口で、時代物初心者には大変ありがたく読みやすかった。最後の「家鳴り」は少し唐突な感じがして置いてかれたけど、全体的には良かった。続編も読みたい。

2018/09/10

Yoko Omoto

主人公のおちかが、広い世間に散らばる様々な不幸や罪を物語として聞くことにより、自らが抱える心の枷に向き合っていく物語。「百物語」というぐらいであるから確かにいわゆる“怪談”ではあるのだが、ただ恐ろしいだけの物語ではない。そこには人の念が持つ強さや脆さ、儚さや暖かさ、優しさなどあらゆる情が丹念に織り込まれ、ストーリーテラー宮部みゆき氏の巧さを見せつけられた読後感だ。ラストがやや壮大になりすぎた感はあるが、この作品を読んで「人それぞれが持つ運命」というものを改めて感じずにいられなかった。本当に面白かった。

2016/04/18

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