KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

作家
宮部みゆき
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-04-25
ISBN
9784041002810
amazonで購入する Kindle版を購入する

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

酔拳

目の前で結婚するはずだった旦那を、兄弟のように一緒に育った男に殺される娘が主人公。 娘は心に病みを持ち心を閉ざすのだが・・・三島屋で世話になることになり、そこで主人から、お客さんの話の聞き役になってくれと頼まれ、話を聞くことになるのだが・・・ 話を聞くうちに、お客さんの心の病みを治し、また娘の心の病みも徐々に治っていく・・・ 怖い話(怪談)であるけれど、人の心の病みを描いた作品でもあります。

2017/07/14

yoshida

とある事情で、叔父の営む三島屋で生活するおちか。消せない心の重いわだかまりを抱えて生きるおちかに、叔父の伊兵衛は訪ねてくる客の応対を任せる。語られるそれぞれの不思議な話し。江戸の世も、現代も、人と人が交わって生きていることに変わりはない。この作品で描かれている様々な人間の感情は現代にそのまま置き換えることが出来る。嫉妬、憎しみ、羨望、宮部みゆきさんの筆力で描かれる人の感情の質感に圧倒される。不幸や過ちがあっても、全てが駄目になる訳ではない。悲しみから立ち上がり、歩き出す明日がある。胸を打ち読ませる名作。

2017/10/22

Makoto Yamamoto

三島屋変調百物語のスタート。 今では第六巻まで進み、聞き手も第二世代に。 聞き手の始めは17歳のおちか。 川崎の実家での辛い経験で心を閉ざしてしまい、叔父叔母が営む袋店に女中として住み込むところから始まる。 事始めは、叔父がおのちかの心を開くために始めた、他の人のつらい思い出を聞くことから。 本編は五話からなり、おちかの成長を伝えてくれる。 次巻が楽しみ。

2020/07/27

katsubek

 人が皆寝静まった夜、たった一人でこの本を読んだら、かなり「おそろし」であろう。  兄との関係を帯になぞらえた比喩、秀逸。震えがくるほどだ!  新しい百物語。宮部さんの本は「救い」が存在する。この間GYAOで見た「トワイライト・ゾーン」の二つ目のエピソード、スピルバーグ監督作品のように。いいですねぇ!

2012/06/05

雪風のねこ@(=´ω`=)

宮部さんは相変わらず読み易い。作中、見蕩れると言う表記が出てくるが、それに併せるら、読み蕩れると言って良い。それほど魅力的だ。おそろし、と言えるのは人の心である。あの土蔵の屋敷も人の心に、在る物では無いか。そう思う。おちかが聞き手となりその重荷を外させる事で過去の怨恨をやっと消し去る事が出来る。成仏できる。考えてみれば、亡者が成仏できないのは、実は生者が挽き掴んで放さないからなのでは無いか。そう言い表している様にも感じる。

2017/09/09

感想・レビューをもっと見る