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反社会品

反社会品

反社会品

作家
久坂部羊
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-08-31
ISBN
9784041045916
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反社会品 / 感想・レビュー

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🐾Yoko Omoto🐾

「現代社会が背負う深刻な問題の、行き着くところはこうだ」と脅されているような、シニカル過ぎて笑えない7編の近未来物語。超超高齢化社会で高齢者を支える現役世代の苦悩、出生前診断によって選別される命、メンタルが弱い人間や、詐病を働く人間を排除するための極端な政策、骨髄バンク登録の現実など、そんな馬鹿なと言い切れない痛烈な風刺のオンパレード。今後世の中はどうなっていくのだろう…と暗澹とした思いになる。マイベストは、体外受精という深刻で神聖な問題に、こんな仰天のオチを持ってくる発想に絶句させられた「のぞき穴」。

2016/12/15

いつでも母さん

久坂部さんのは気を付けないと取り込まれたりするからね。今作はぎゅぎゅーっと皮肉たっぷりの短編7作。ご本人が医師であるのだから、そっち系の描写はお見事です。『占領』にはうすら寒さを覚えた。これからの若者よ、本当に考えなさいよ。と私も言いたい。サクサク読んだが読了後のなんとも漂うどんより・ざわざわ感は久坂部さんの術中に嵌まったようだ。装画と云いタイトルと云い、良い意味で裏切ってくれますよね~!

2016/10/01

takaC

こういうこと本当にありそうだ。コワイコワイ。

2017/03/31

ケンイチミズバ

言ってることに一理はあるものの、あまりに過激でしかも作品そのもののストーリーではなく、作中に登場するDVD の中のストーリーとして過激さの一部には逃げがあったりもします。ナチスの優生選別にも触れてうつ病で仕事から逃げるものをクズ扱いしたり、出生前検査で胎児に遺伝的な異常があることがわかり、動揺する母親に堕胎は殺人と同じだと脅す医師がいたり、なかなかムカツク作品です。現実にあり得る過激なものの考え方でもあり、こんな窮屈な世の中にしてはいけないというメッセージととらえました。

2016/10/04

まこみん

初久坂部さん。医師らしく医療問題を盛り込んだ近未来短編集。「反社会品」とあるだけに、一般的な常識論や正義からあえて逸れた目線で描かれている。ブラックだけど、現代の私たちは本当は目を逸らしてはいけない事柄が沢山。「無脳児…」一部の医師とマスコミの無責任さ。正解は出ないが悩ましい。「占領」超超超高齢社会。現役世代は利用するだけで現老人だけを救う共富党。「不義の子」優秀な遺伝子を望む女性のしたたかさ!?「命の重さ」ドナー問題。私も妻や母親にどうしても賛同してしまう。「のぞき穴」不妊問題、結末あり得そうで怖い。

2016/11/22

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