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颶風の王 (角川文庫)

颶風の王 (角川文庫)

颶風の王 (角川文庫)

作家
河崎秋子
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-08-24
ISBN
9784041072202
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颶風の王 (角川文庫) / 感想・レビュー

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しいたけ

『70時間全文試し読みフェア』にて。3つの時代の、人と馬の必死な生。共通するのは強風に立つ、生きとし生きるものの凛とした姿。人の「オヨバヌトコロ」への畏怖。代が変わると、文が纏う色もガラッと変わる。ひとつめは白、ふたつめは濃緑、みっつめは碧に包まれて読んだ。それぞれに心を掻き立てる風が吹く。素晴らしかった。手元に置かねばなるまい。

2018/12/02

のぶ

北海道の広大さと、土の匂いが伝わって来る作品だった。東北と北海道を舞台に、馬と関わる数奇な運命を持つ家族の、明治から平成まで6世代の歩みを描いた物語。全体を通しての主人公は馬なのだが、寄り添う人間のドラマとして楽しむ事ができた。特に前半部の、許されぬ男性との子供を身籠った妊婦ミネが雪崩に巻き込まれ、一緒にいた馬のアオを食べ、命をつなぎ、春に臨月のミネが救出されたシーンは圧巻。著者の川﨑さんは北海道在住で、羊飼いをしながら執筆活動をしているようだが、そんな環境で住んでいる人にしか書けない本だと思った。

2019/12/21

タイ子

いい本を読んだなぁ。颶風=強く激しい風。馬と人、家族の絆が120余年に渡り連綿と綴られる壮大な物語。著者の作品は初読みですが、表現力が上手くて読みながらドラマを見ているような感じ。それゆえミネの雪山遭難の場面はリアル感満載。命を守ることは命を頂くこと、そして次の世代に引き継ぎ、また次の世代が命をつなぐ。最終章で6世代目のひかりが祖母のために島に渡り野生馬の様子を見て「私のどこが哀しいのだ」と馬に言われた気がするシーンは泣けましたね。厳しい環境の中に生きてこそ人も馬も強くなれる。読み友さん、ありがとう!

2019/06/30

菜穂子

馬と人が一緒に暮らすとは生を共にすること。母が馬から貰った命。その中で奇跡的に命を繋げた捨造。厳しい自然の極寒の地に馬と共に渡り、馬と共に一家を築いていく。脈々と受け継ぐ馬への敬愛の情や、何者も及ばない厳しい自然に挑む姿は神々しささえ感じられた。

2020/08/29

翔亀

【シリーズ森7】北海道の羊飼い作家のデビュー作。さすがに描かれた自然は本物だ。馬と生きた家族6代の物語、とあるが生半可なものではない。初代は「俺は、人と馬の子だ」と叫ぶが、まさに雪崩遭難で臨月の母親が馬と共に喰らって生き延びたから生を受けたのだし(明治時代)、三代(その孫)は小学生で馬飼いとしてその馬の子孫の南部馬を育てるが、夜の森で主のシマフクロウに遭遇し「ここで私は及ばない」(p116)と思い知る(昭和時代)。いかに人が「人工の光で照らそうと、鉄の機械で行き来し蹂躙しても」及びもつかない自然。↓

2021/02/06

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