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ライト・ノベル

ライト・ノベル

ライト・ノベル

作家
滝本竜彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-11-29
ISBN
9784041075241
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「ライト・ノベル」のおすすめレビュー

『NHKにようこそ!』から17年――滝本竜彦の新作長編小説『ライト・ノベル』に込められたものとは?

『ライト・ノベル』(滝本竜彦/KADOKAWA)

 ライトノベル(light novel)――。それは、ざっくり言えば若者向けの“軽い”小説のことを指す言葉だが、万人が納得する定義を説明するのはむずかしい。その特徴は、表紙のイラストや読みやすい文章、中高生の主人公などだろうか。ライトノベルは、一般の文学作品よりも軽く見られがちなところがあり、「読者の願望を満たす、現実逃避のための物語にすぎない」という批判がよくある。確かに、たいした理由もなく主人公が美少女たちに好かれたり、偶然得たスキルによって最強の存在になったり…というような、現実の願望を反映する“都合の良い”展開はある。だが、それだけがライトノベルではない――いちファンとしては、そうした批判に反発したい。

 さて、本稿で紹介する作品は、その名もズバリ『ライト・ノベル』(滝本竜彦/KADOKAWA)という小説だ。あまりにもシンプルかつ大胆なタイトルだから、これだけで内容を想像するのはむずかしい。しかも、著者は乙一、西尾維新、佐藤友哉など「ゼロ世代作家」ムーブメントの中心作家、滝本竜彦氏ときている…

2018/12/2

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ライト・ノベル / 感想・レビュー

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ゼロ

終始、理解に苦しむ作品でした。不登校気味のたかひろが、電波な女の子・ミーニャと出会い、日常と非日常を彷徨うボーイミーツガールの話かと思いましたが違いました。母親が息子とセックスをしたいと言ったり、幼馴染の耶麻川が校内でセックスしたりの要素があり、話がどう転がっていくんだ?と読み進めてみると、中盤で創作の話であることが判明しました。光の小説を提供していくってことで、部を立ち上げ、文化祭を行い、幕を閉じましたが、人間も思想も展開も散らかっていました。作中の悩みも理解できず、ちんぷんかんぷんでした。

2019/11/24

よっち

貴重な青春を無難に過ごすだけの高校生・ふみひろの前に出現した光のゲート。そこで猫耳でしっぽのある美少女と出会ってから、謎の女の子たちと次々と出会う物語。やる気のない教師や息子に恋人役を期待する母親、優等生だった幼馴染が突然不良化して旅立ってしまったり、何気に救いのない環境にいる主人公が出会った奇妙な少女たちとの日常が何を意味するのかいろいろ考えてしまいましたけど、抽象的な描写も少なくない中で意識するようになっていった幼馴染と再会できた結末は良かったのかな?何を書きたかったのかあまりよく分からなかったです。

2018/12/31

カラシニコフ

終盤のまとまりのなさは差っ引いても、これはボクの小説だ。平成という世に学生時代を過ごしたボクらの物語だ。閉塞と孤独、解放と許容、ゼロ年代の亡霊、この物語を平成の最後に読めたことは、読んだことは、なにかの宿命なのかな。願わくば、次作はそれほど時を空けずに読んでみたい。新時代の『ライト・ノベル』を。 ★★★★★

2019/02/24

Amano Ryota

憑き物が落ちたような読後感だった。面白い面白くないと言う次元ではなく、これはある種の浄化だろう。同じような読後感を、海猫沢めろんさんの『左巻キ式ラストリゾート』で味わったことがある。根本的な読解を間違っているかもしれないけれど、『左巻キ式ラストリゾート』が肯定の否定だとするならば、この『ライト・ノベル』は否定の肯定だ。いや、そもそも両者に根本的な違いはないのかしれない。光の小説自体が、闇の迷宮の物語でない保証なんてどこにもないからだ。それでも、迷宮のどん底から世界は裏返しになる。「すべて=1」なのだから。

2018/12/05

CCC

終わり良ければすべて良しというけれど、これは変に落ち着きすぎた気がする。どこにいくか、何がやりたいのかわからない展開にも、今までの作品もあって、いちおう期待があったのだが……。実験作と受け取るにしても、ちょっとキャラがキャッチーすぎる。構成でうならせるような上手さもない。会話にはときおり持ち味の片鱗がうかがえる部分もあったけれど、全体を通してみればおすすめし難い出来だった。というか作者に一言言いたい。たきもとー! お前から闇を取ったらいったい何が残るというんだ目をさましてくれー!

2019/06/25

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