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悪名残すとも (角川文庫)

悪名残すとも (角川文庫)

悪名残すとも (角川文庫)

作家
吉川永青
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-03-23
ISBN
9784041077832
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悪名残すとも (角川文庫) / 感想・レビュー

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岡本

大寧寺の変と厳島の戦いで悪名を残した陶晴賢が主人公。大内家筆頭家老として活躍するシーンから始まり、敗戦からの派閥争いがあり、大寧寺の変から続く誤った判断があり、厳島の戦いで終わる。大内家を書いた小説は初めてで殆ど知らない人物ばかりだったが、普通に楽しめた。大内家を捨てきれず大名になれなかった晴賢が大名となった毛利元就に討たれるのは戦国時代だなと思う。解説に記載のある他の小説も読んでみよう。

2019/07/23

みこ

陶晴賢。一度この人物を主人公にした小説を読んでみたいと思っていたところだった。家が大事か主君が大事かの狭間で揺れ、そして滅んでゆく。歴史は敗者には残酷ゆえ彼の忠義にスポットライトが当たることは殆どなかった。大内家の凋落から厳島での敗北までを晴賢自身の目線でグイグイと読ませてくれる。主人公らしく知勇兼備の猛将として登場し、敗れるとはいえ最後まで元就との謀略合戦を互角に演じ切る。敗れた原因が元就のようにブラックになり切れず主君への愛を残しグレーのまま突き進んでいってしまったという点がまた切ない。

2019/06/25

木賊

陶晴賢を描く。第一次吉田郡山城の戦い(尼子が郡山城を攻めたため、毛利元就の援軍として出陣)から厳島の戦い(陶晴賢vs毛利元就)まで。面白かった。戦にも謀略にも強いという秀でた若き武将が、社会的には既に役割を終えてしまった大内家という枠組みを維持しようと戦う様を見事に描いている。有能だが経験不足で家中を取り回しきれず、「大内家のため」が次第に独善的・独裁的になっていく辺りなど、凄みがあって、とても惹き込まれる。毛利元就との対比も良かった。

2019/11/03

熱東風(あちこち)

久々に戦国時代で面白いと思える小説を読んだ。/下剋上の一例としてよく挙げられる人物・陶隆房ではあるが、結局は古い体質を破壊しきれなかった。この男がもっと欲望に忠実であったなら――歴史のIFとして楽しい想像ではある。/大内義隆滅亡の話としては古川薫 『失楽園の武者』を読んだことがある。そこで陶がどういう描かれ方をされていたかは忘れたが、本書でも登場した冷泉隆豊の愚直なまでの忠臣ぶりは印象に残っている。/毛利元就とは途中までは肝胆相照らすといった間柄から、徐々に齟齬が生じていく――という描写が面白い。

2019/04/20

大内義隆を下克上で除いた武将、陶晴賢を描く歴史小説。司馬遼太郎の小説で「奸物というのは、人柄の善悪ではなく、無能にして権力をにぎって将士を生死させる存在をそう定義する」とあるが陶晴賢にとって大内義隆の存在はそのようなものになってしまった。しかしそれでも大内家への忠誠心を捨てきれず悪名を背負いきれなかった事が彼の滅亡に繋がってしまったという感じであった。

2020/07/26

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