1984 (角川文庫)
「1984 (角川文庫)」の関連記事
ジョージ・オーウェル『1984』あらすじ紹介。現代の監視社会を70年前に予言!? 思想や言論が統制され自由が弾圧された世界
防犯の名目で街中に監視カメラが溢れ、SNSに上げた映像から逮捕者が出る…。本作『1984』はそんな監視社会化を70年前に予言したともいえる恐ろしい小説で、現在、再び脚光を浴びています。そこで本稿では、ジョージ・オーウェルの名作『1984』のあらすじを、ネタバレありでご紹介します。
『1984』の作品解説
本作はイギリスの作家、ジョージ・オーウェルによって1949年に刊行されたディストピアSF小説です。1949年の時点から想像した、全体主義国家によって監視社会化した近未来世界の恐怖を描いています。
「史上最高の文学100」に選出されるなど、欧米での評価が特に高いのが特徴で、出版から70年経った今もなお、世界の文学・思想・音楽をはじめとした様々な分野に影響を与え続けています。
『1984』の主な登場人物
ウィンストン・スミス:主人公。「真実省」に勤務。現体制の在り方に疑心を抱く。
ジュリア:「創作局」に勤務する女性。ウィンストンに告白し逢瀬を重ねる。
オブライエン:党の高級官僚。「ブラザー連合」の一員を名乗る。
チャリントン:骨董屋を営む老人だが、正体は思想警…
2023/6/27
全文を読む関連記事をもっと見る
1984 (角川文庫) / 感想・レビュー
アナーキー靴下
3年前に早川版を読んで以降、音楽に心震わせられる時、いつもこの話を思い出すようになり、いつか再読をと思っていた。言葉と共に概念が消え去るなら気付きさえしない、しかし音楽から受ける情動が繋がる概念が失われているのだとしたら? トランペットの高揚感の繋がり先が一つしか残されていないとしたら? また、以前は支配と洗脳という重苦しい話に思えた全体像が、まるで人間性の円環に閉じ込められたような、痛切だが美しい物語であるように思えた。社会というものは、自分自身を引き延ばし、増幅させたものにしかなり得ないのではないか。
2021/07/03
夜長月🌙@5/19文学フリマQ38
反共、全体主義批判よりも現代につながる監視社会批判に恐さを感じました。1984年、このディストピアは常に監視されています。そして我々も。スマホ、パッドを通じて私たちの情報は漏れています。それをもう手離すことはできません。個人としてこの現在の世界にあなたはどう対応しますか。いつまでも警鐘を鳴らし続け、考えさせられる作品でした。語り継がれるべき名作です。
2022/10/31
キク
名作といわれるし1Q84の元ネタでもあるので、気になってはいた。で、最近誘って頂いた読書会の対象本が「1984年」だった。初めての1984年と読書会をまとめて経験してみようと読んでみた。ド嬢神林が愛する黒表紙の早川epi 版ではなく、去年出た角川の新訳。今までが全て「1984年」だったのに対して、タイトルから年がなくなり「1984」になっている。1Q84との関連性は伝わりやすいけど、本家が寄せていってどうする。鋭い社会洞察で、時の経過で風化してないどころか、むしろ今の方が新しくなってる稀有な名作だった。
2022/10/09
みねね
これはヤバい。ヤバすぎてヤバい。マジで全体主義エグすぎて引くわ。人権どころか個人って概念ないのキツすぎん? ウィンストンがガラスの文鎮に尊さ感じてるシーンがエモさマシマシだったせいか、ぶっ壊されるのが辛くて病んだ。ゆとり世代してきた割には社会激しすぎてしんどみの毎日だけど、もっとみんなでエモさ大事にしないと近い将来1984みたいな世界になりそう。予言の書すぎて草。/ 現代語、まさしくニュースピーク。
2023/09/23
クマシカ
ウィンストンとオブライエンの会話が始まってからが長かった。緻密に洗脳と服従のプロセスを描いている。ジュリアとの思い出がある分、ウィンストンの苦しみは大きいだろう。あまりにも完璧な全体主義と統制に一種の滑稽さも感じた。プロレの惨めな生活と生活の安定と引き換えに心まで支配される中間層と、どちらも辛い。今や全体主義的な自由がない国や地域が軍事力経済力ともに幅をきかせていて、物語に近づいてきている恐ろしさ。ロシアベラルーシでは本書が販売禁止だとか。支配層にとっては脅威にもなるパワフルな一冊。
2022/08/28
感想・レビューをもっと見る