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獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

作家
横溝正史
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
1971-03-30
ISBN
9784041304037
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ジャンル

獄門島 (角川文庫) / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

横溝作品の最高傑作として選ぶ人が多いようだが、読み終わって、やはり「悪魔の手毬唄」の方が良いと思った。もちろん本作もすごい傑作であることは変わりがない。方程式の登場には驚くが、作者は薬学を学んだ理系の人であった。1948年作品なので、金田一自身もそうだが、戦争の影が非常に大きな比重をしめている。終戦後の離島での社会の変動を、半ば予想しながら描いたようだ。さて岡山の磯川警部ものには名作が多い。「本陣」と本作のあと、9年後に「毬」が書かれたことも感慨深い。発表とは逆順になったが、次は「本陣」を読みたい。

2020/04/22

青乃108号

金田一耕助シリーズ2作目。「本陣殺人事件」から9年後、大戦に召集された後復員した金田一。戦死した戦友の言葉に導かれ訪れた島で起きる連続殺人。これぞ探偵小説、その物語の展開にワクワクしながら読み進める。そして明かされた事件の真相と、ラストもう一段のひねり。どこまでも悲劇としかいいようのない話なのにサラリと読めるその軽妙な語り口が見事な傑作。何故もっと早く読まなかったか。沢山出ているこのシリーズ、全部読むのは無理そうだけどあと3作程は読んでみたい。

2023/07/27

kaizen@名古屋de朝活読書会

有名な話だけど実際に小説で読んだのは初めて。瀬戸内海の県境の島が舞台。日本の推理小説の古典の一つかも。解説:中島河太郎。横溝が東京を離れた時が2度有り、その時に作風が変わっているとのこと。

2013/09/21

夜間飛行

私にとって推理小説の醍醐味は、殺人事件をロジックとして楽しむことにある。生意気を言うようだが、そのためには空間と会話が欠かせない要素だと思う。空間といえば、ヴァン・ダインの「グリーン家殺人事件」のような洋館が一つの典型といえるだろう。その点、横溝正史は日本の風土の中で和風建築による密室を試みたり、鍾乳洞や塔など、果敢にミステリ空間の可能性を広げてファンを楽しませてくれた。中でも獄門島は見事な舞台設定で、島全体を一つのロジカルな空間と化し、それを利用して当時としては驚くべき大がかりなトリックを仕掛けている。

2013/09/28

nobby

「三人の妹が殺される…」そう言い残した戦友の死を告げに訪れた獄門島。はたして金田一はその殺人を防げるのか。作品全体のおどろおどろしさに加えて、思いのほか静かに進む展開が醸し出す雰囲気が素晴らしい。さらに殺人の見立て・俳句など惹かれる事柄や座敷牢・妾やら気になる言葉など魅力たっぷりな要素満載。今ではNGであろう「気違いじゃが仕方がない」の意味に加え、最終章で語られ気付く伏線への結びつきは爽快そのもの。その一方で何とも重い殺人動機と最後明らかになる事実がとにかく切ない…

2017/06/10

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