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家出のすすめ (角川文庫 て 1-1)

家出のすすめ (角川文庫 て 1-1)

家出のすすめ (角川文庫 て 1-1)

作家
寺山修司
出版社
KADOKAWA
発売日
2005-01-25
ISBN
9784041315231
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家出のすすめ (角川文庫 て 1-1) / 感想・レビュー

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家出のすすめとか、親を捨てろと言っても実のところは心の自立を指している。幸福な家からいかに核分裂してどう独立すべきか、またその後は親とどういう距離感で接していくか、過激な文章に紛れながらもちゃんと書かれていた。初めて読んだ高1の頃は、”母親を殺す”とか”捨てるつもりで家を出ろ”という言葉が強烈に胸に残っていて。当時、親の溺愛が歪んだ方向にねじれて過干渉に縛られまくっていた自分には充分納得できる言葉だった。でも今読むとまた受け取り方が変わっていることに気づかされる。本当に必要なことが何かわかって良かった。

2014/04/25

mukimi

食事中に話すと場が凍りつきそうなすれすれの内容がしたためられた挑戦的随筆。若者への警鐘も多く中年の作と思いきや執筆時27歳と知って唖然。そして、あまりに「書を捨てよ、町へ出よ」という名言が有名なので古典かと思っていたがまだ筆者存命でもおかしくない世代だったことも意外。ちょうどアートとサイエンスの本を読んでいたので、常識偏重の頭でっかち社会に対する、直感的衝動的アート要素の撃ち込みと解釈した。毒と怒りを帯びた独創的な文章。その美しさは全部読まなきゃ伝わらない。「恍惚と不安」というフレーズに心をさらわれた。

2022/09/16

chantal(シャンタール)

ずっと昔に友人が置いて行った本。こちらでも翻訳本が売られてるくらい有名な人。でも、何をしていた人か、実は良く知らない。この本もなんと、私が生まれた頃に出版された本!半世紀前😅内容は今の時代に読んでもそんなに古さを感じない。ただ私はずっと横浜で生まれ育ったので「東京(都会)に憧れる」と言う気持ちはずっと理解出来ずにいた。今はそうでもないだろうけど、あの頃はやはりそれなりに大きな違いがあったのかなあ、地方とは。自由とは?故郷とは?生きるとは?そう、自由に生きることは闘うことなんだ、と言うのはわかる気がした。

2021/08/18

青蓮

再読。逆説で語る寺山修司の青春論。家を出ることは愛情過多の親から精神的に乳離れすること。第一章のサザエさんの性生活の考察がとても面白い。流石にサザエさんの作者はきっと此処までは考えてはないだろうけれど。第二章の悪徳のすすめに記されたグロテスク博物館、可能なら私も見学してみたかった。でも今の時代だと完全にアウトだろうな。「一つのことを信ずることが、他を裏切ることだろうということを知らずに、誰が悪について語ることができるものか」「言葉もまた肉体の一部である。完全な肉体が、人間として失格であるように……」

2018/10/18

優希

精神的に自立するための方法が述べられていますが、屁理屈を並べている感じがします。矛盾を鋭く描いている過激さには驚かされました。もっと若い頃に読んでいたら共感できたのかもしれません。それでも価値観が変わるまではいかなくとも、新しい考え方に出会うことができました。年齢が年齢だったら表面だけ理解した気になって、変な影響を受けていたかもしれません。

2015/07/20

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