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禍いの大衆文化 天災・疫病・怪異

禍いの大衆文化 天災・疫病・怪異

禍いの大衆文化 天災・疫病・怪異

作家
小松和彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-07-28
ISBN
9784044005641
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禍いの大衆文化 天災・疫病・怪異 / 感想・レビュー

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bapaksejahtera

大学共同利用機関の一つ日文研の活動の一環としての「日本大衆文化史」に続く成果。「大衆」とは庶民、常民等と同様、いわば群れとして「人々」を捉える謂。本著は江戸後期以降、災害や疫病等生活に影響を与えてきた事柄に、大衆が如何に反応したかを探り、以て我らが文化を明らかにしようとする。特に本書の対象とする江戸後期以降、生産力の向上により大衆が識字能力を得、文字による情報伝達が飛躍的に活発となる。民俗事象が荒唐無稽乍ら、より強力に拡散する。9人の専門家が其々執筆する。テーマの一貫性は認めるが、叙述には稍不統一を感じた

2023/07/06

K.H.

江戸時代を中心に、疫病(時勢を反映してかこれがいちばん多い)やその他の禍いに大衆がどう反応したのかをめぐる論集。疱瘡を遊ぶ子供たちや、大地震後に鯰絵でひと儲けした仮名垣魯文、大火をパロディにする落書など、浮かび上がってくるのは、江戸の民衆のたくましいバイタリティだ。例のアマビエが瓦版を売る方便だったというのも面白い。もっともその裏には風の神送りなど、ブラックな部分も垣間見える。論集なのでひとつひとつのテーマの掘り下げはそれほどではないが、それぞれのテーマをもっと知りたくなった。

2022/03/31

大臣ぐサン

妖怪学の世界にも流行というものがあって、目下彼岸もコロナ禍の真っ最中だ。アマビエばかりが大きな面をしているが、過去の疫病においても蔓延させる側に回ったり、鎮める側に回ったり、妖怪は様々な形で疫病と関わってきたのだ。敢えて言おう、アマビエは姿を絵にかけとは言ったが疫病を封じるとは言っていないし、肝心のコロナを予言していないし、そもそもアマビエの言い伝えなどというものは見つかっていない。「疫病を防ぐ御利益があると言い伝えられている」などという文句を見ても黙って眉を顰めるしかできないのが歯がゆいよ。ほんと。

2021/08/20

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