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天災と日本人 寺田寅彦随筆選 (角川ソフィア文庫 L 117-1)

天災と日本人 寺田寅彦随筆選 (角川ソフィア文庫 L 117-1)

天災と日本人 寺田寅彦随筆選 (角川ソフィア文庫 L 117-1)

作家
寺田寅彦
山折哲雄
出版社
角川学芸出版
発売日
2011-07-23
ISBN
9784044094393
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天災と日本人 寺田寅彦随筆選 (角川ソフィア文庫 L 117-1) / 感想・レビュー

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はっせー

台風のため巣ごもりしているときにピッタリだと思い読んでみた。理系でそして古い本のため読みにくいと思っていたが思った以上に読みやすい。寺田寅彦さん自体が夏目漱石さんを師事していたため文章がうまい。この本はそんな寺田寅彦さんが天災について考えたものをまとめている。その中で面白いと感じる点は日本の科学が実学との結びつきが弱いと感じているところである。寺田さんはどんな科学も実学と結びつけることができると考えており実学と向かないものを排除したいわけではない。日本の科学は植物園で育った珍しい花と同じだと言っていた!

2022/09/24

saga

明治に生まれ、大正関東大震災を経験し、昭和初期まで活躍した物理学者で、漱石の門人であることで有名な著者。関東大震災が発生した際、建物の構造を冷静に分析して余裕を見せる姿や、外国人が井戸に毒物を入れる、爆弾を炸裂させるというデマに対し、科学知識があれば惑わされないのに……という知見は流石であった。火山活動を含む地震や、台風を筆頭にする風水害と日本人というテーマでの各随筆を、非常に興味深く読ませてもらった。和辻哲郎の『風土』も読んでみたい。

2021/04/09

keroppi

「科学と文学」を読んで、寺田寅彦のものを見る目の鋭さに感銘を受け、災害について記したこの本を読む。昭和初期の文章とは思えない内容。昨今の日本における災害を見ていて、この頃と大きくは変わっていないことを感じる。科学者の冷静な目で現実を見つめ、日本というものを守るためには、災害にきちんと向き合い、そういう体制をとることが大切だと訴える。「天災は忘れた頃来る」というのは、寺田寅彦の言葉と言われるが、この随筆集は、その意味するところを伝えている。

2020/08/30

壱萬弐仟縁

ラスキン「一抹の悲哀を含まないものに真の美はあり得ない」と。(50ページ)。「何故泣くか」より。美とは悲しいものだ。明日は不倫の悲しさを番組にする。不倫は家族をだめにする。自分は良くっても。

2022/01/27

takam

文明が進み国民国家としての成熟度が高まるほど、災害の影響も大きくなる。そりゃ物流であったり、サプライチェーンが崩壊するので当然の話である。100年前から日本の災害を研究してきた寺田氏の随筆であるが、現代書かれたといわれても素直に納得してしまう。人間は悲劇を忘れる生き物である。それは災害の記憶は残るように継承されないためである。災害で苦労した人は亡くなったり、引退するため、若い人たちに正しく継承されないのである。また、欧米文化を安易に受け入れることで災害の規模が大きくなるなど、原発の話を思い出す。

2020/03/05

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