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ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫)

ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫)

ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫)

作家
宗田理
はしもとしん
出版社
KADOKAWA
発売日
2009-02-19
ISBN
9784046310033
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「ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫)」のおすすめレビュー

出版不況でも盛り上がる児童書市場。児童文庫でシェアNo.1であり続ける角川つばさ文庫の強さとは?

 書店の閉店が相次ぎ、出版不況が叫ばれる昨今、唯一の例外として活性化しているジャンルがある。それが、児童書だ。出版不況が叫ばれて久しく、少子化によって読者の数が減っているにもかかわらず、絵本を含めた児童書市場の販売金額は、ゆるやかにではあるが増加傾向にあり、2021年には967億円に達した。2013年の700億円に比べれば、約200億円の増加である(『出版指標 年報2022年版』より)。

 そんななか、児童文庫においてシェアNo.1※を誇るのが、2024年で創刊15周年を迎える角川つばさ文庫である。2009年に創刊されてまもなく1位に躍り出た同文庫について、『いま、子どもの本が売れる理由(筑摩選書)』(筑摩書房)の著者・飯田一史さんは、ヒット作が出るとレーベル内で似たような作品が偏って刊行されがちであるのに対し、〈つばさ文庫は(ある程度「売れ線」があることは推察されるものの)他のレーベルと比べてもバリエーションが豊富である〉と語っている。

 確かに、恋愛・友情・ホラーなどオリジナル小説の幅を広げるだけでなく、つばさ文庫では1985年に刊行された宗田理…

2023/8/14

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全国の小学生が選んだ “1番好きな本”は? 第2回「こどもの本総選挙」ベスト10結果発表

イラスト:ヨシタケシンスケ デザイン:寄藤文平

 第2回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」(以下、「こどもの本総選挙」)ベスト10結果発表会が、2020年5月5日(火・祝)に、動画配信にて実施された。子どもたちに面白い本と出会える機会を作り、本をもっと身近に感じてもらいたいという思いから始動した「こどもの本総選挙」。 今回の応募総数は25万3399票となり、投票者の中から選ばれた「こどもプレゼンター」10名が、投票した本と選んだ理由をコメント。作者からの感想コメントも発表された。

小学生の「1番好きな本」ベスト10に選ばれたのは以下の10冊だ。

『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』 ベスト10

第1位『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(今泉忠明:監修 2016年 高橋書店) 『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(今泉忠明:監修/高橋書店)

「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典」は、生き物の「ざんねん」な一面に光をあてた、はじめての本。「紫外線をあびると光る」サソリや、「敵におそわれると死んだふり…

2020/5/9

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ピース又吉「自分がどう思ったかを大事にして」 “こどもの本”総選挙1位『ざんねんないきもの事典』を選んだ小学生のかわいい理由

子どもプレゼンターのみなさんとアンバサダーを務めたピース又吉さん

 5月5日のこどもの日、「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」が荒川区立図書館「ゆいの森あらかわ」で開催され、12万人の子どもたちが選んだベスト10が発表された。

絵本に囲まれたゆいの森ホール 投票者である子どもプレゼンターが、選ばれた本の著者に表彰状を渡すという微笑ましい表彰式となった。また今回アンバサダーを務めた、芥川賞作家で芸人のピース又吉直樹さんの本にまつわるトークや、子どもたちからの「おしりをださずに笑わせる方法」や「綾部さんとコンビを組んだきっかけ」などの質問に又吉さんが答えるシーンもあり、注目を集めた。

 なお、発表されたベスト10の本は下記の通り。

1位 『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』今泉忠明:監修 2位 『あるかしら書店』ヨシタケシンスケ:著  3位 『りんごかもしれない』ヨシタケシンスケ:作 4位 『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』今泉忠明:監修 5位 『おしりたんてい かいとうVSたんてい』トロル:作・絵 6位 『お…

2018/5/7

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ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫) / 感想・レビュー

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徒花

おもしろかったー。タイトルだけ知ってて読んでなかった児童文学?の名作。元本が刊行されたのは1985年でバブル直前くらいの時期だろうか。学祭運動を経験した世代が親になり始めた時代で、中学生たちが横暴な大人たちに抵抗するべく廃工場に立てこもり、大人顔負けの知略で薄汚い大人たちに一泡吹かせるひと夏の物語。文書のキレが抜群で読めばスカッと爽快になる。

2020/09/21

りゅう☆

有名だけど読んだ記憶ない?体罰当然、スケ番など確かに時代の古さは感じるが、自分の理想を押し付け、子供の正直な言い分に「話にならない、もう帰りましょ」と言う母親に全く共感が持てず理解不能。校長を始め、生徒を物として捉える大人に辟易。西脇先生に対する酒井の無茶苦茶な要求、今じゃありえない暴言の数々。読んでて腹立つわ〜。そりゃ子供たちが解放に向けて立ち上がりたくなるね。だけどきっと子供の頃に読んでいたら夢を抱き、勇気がもらえ、西脇先生や瀬川さんなど信頼のできる大人の存在に安堵し、本の中で楽しい体験ができたハズ。

2016/07/10

扉のこちら側

2015年936冊め。小学生頃に読んだ記憶はあるが、当時は児童書が好きではなく入り込めなくて読み流しただけだったと思う。今となっては「子どもたちが周囲の大人たちに反旗を翻し籠城」という設定は評価する。しかし何か契機となる事件があったわけでもなく、日頃のうっ憤はあったにせよ「夏休みになったら一週間立てこもろう」と、昨今でいうプチ家出的なノリだったのが惜しい。作中では子どもたちの味方のように描かれている養護教諭の西脇先生も、大人目線だとちょっとズレている人と思ってしまう。もう少し瀬川老人が活躍したらよかった。

2015/08/05

まる

[カドフェス2015]ずっと読んでみたかった作品。中学生たちの行動力に爽快な気分にさせられたり、幼さに気恥ずかしい気持ちになったり。思想があるわけではない、漠然とした「解放区」が団結を崩すことなく続いたのは、こどもたちが純粋に尊敬できる瀬川がこどもたちのそばにいたからでしょうか。こういう大人も必要ですよね。もちろん、勉強しなさいと叱る大人も必要ですが。七日間というのがちょうどいい期間だったんだろうな。この後の彼らを想像してみるのも楽しいです。爽やかな読後感でした。それにしても中学生、技術力高過ぎ。

2015/12/18

レモン

初めて読んだ有名な作品。最近の作品かと思っていたら、結構昔に発刊されていた。どうりで学生運動やアントニオ猪木などが出てくると思った。警察を差し置き誘拐犯を捕まえたり、廃工場への不法侵入を1週間放置していたりとありえない展開が多いが、子どもの視点から見ると痛快。子どもの頃に読んでいたなら何を思っただろう。ここまで大層なことをした経験はなくとも、大人に内緒で学校をズル休みしたことなど、あの頃の高揚感と友達と過ごす楽しさを思い出す。児童書に没入できる人には、ワクワクする読書体験ができるはず。

2022/05/07

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