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パリが愛した娼婦

パリが愛した娼婦

パリが愛した娼婦

作家
鹿島茂
出版社
角川学芸出版
発売日
2011-01-25
ISBN
9784046532213
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パリが愛した娼婦 / 感想・レビュー

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キムチ27

硬軟そろいの味がある鹿島氏はバルザック研究家。娼婦の研究はもとよりパリの市井の生活の探究に優れている。娼婦・・貧困は搾取の連鎖と言い切っている。作家が書いたルポルタージュとも資本主義論とも風俗論ともいえる実に面白く深みのある1冊。高級娼婦のくだりは「ナナ」のセリフや場面を多用しているので映画も見たことだし、この素敵な?装丁もあってなかなか迫ってくる。ヒモ→ストゥヌールは下支えの意。一流のヒモは新生M男とは納得。女衒は写真もあり、リアル。資本主義社会上、必須の勝者と負者。精液の排水溝?には仰天!

2014/05/01

midnightbluesky

娼婦って商売がこれほど世相をあらわしていたとは全く知らなかったが、日本のそれとは違って、実にカラッとした印象を受ける。娼婦になったきっかけは身売りや貧困と、日本と何ら変わりないのだろうが、ちっとも背徳感がなく実にサラッとしているのは何故?

2013/01/27

どんぐり

19世紀から20世紀前半のパリにおいて、なぜ娼婦が多かったのかという問題意識のもとに主婦ではない女性は娼婦だったとさえ極言してしまう著者の「社会と売春の関係」「売春というシステムにおける資本主義構造」を追求した本。エミール・ゾラの『ナナ』『獲物の分け前』、シャルル=ルイ・フィリップの『ビュビュ・ド・モンパルナス』、モーパッサンの『メゾン・テリエ』、ジャン・ロランの『メゾン・フィリベール』等の作品を長々と紹介しているのには辟易したが、フランス文学者だからしかたがない。この種の本は社会学的アプローチに限る。

2013/02/20

tyfk

ゾラ『ナナ』を蕩尽(バタイユ )の観点で考察してる本ないかと探したら、バタイユはでてこないけど、おなじみ鹿島茂がいろいろ取り上げてた(こんな引用ばかりの原稿でいいのだろうか、まあいいか)。夜中のパリをサタンと歩き回る場面は、こういう解説があると面白く読めるか。いくつか笑えるフレーズがあった、たとえば「ナナは、さしずめ、ストックはあるのにフローがないため街金に頼らなければならない中小企業のようだ」p.111

2024/02/28

youxian♬*゜

気になって手にしたけど前作があった。それでも、タイトル通りフランスはパリで活躍してた娼婦の歴史や生態を紐解いてる一冊。以前から、一晩で、何十万の価値がどうして一人の女性にあるのだろうかと不思議でならなかったけど、なるほど、女性側だけの理由ではなく、それが粋だっり破滅願望行為だったりする男性側の願望とも一致する行為でもあるのか。物欲のために自分で稼げる仕事に就く=娼婦 の構造。今と変わらないのね。

2018/09/15

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