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デパートの誕生 (講談社学術文庫)

デパートの誕生 (講談社学術文庫)

デパートの誕生 (講談社学術文庫)

作家
鹿島茂
出版社
講談社
発売日
2023-11-09
ISBN
9784065339657
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デパートの誕生 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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さとうしん

ブシコー夫妻によるデパート誕生記。当時の流行品店から発展したデパート、ボン・マルシェの革新性を、同店などに取材したゾラの小説なども参照しつつ描き出す。まずは薄利多売にバーゲン・セール、顧客を教育するという発想、返品の受付、無料の休憩室、カタログ商法等々の販売戦略を紹介し、ついで歩合給制、社員食堂、社員寮、営業時間外の教育やクラブ活動、退職金・養老年金制度など、社員教育と福利厚生制度について触れる。デパートの歴史のみならず、19世紀後半以降の大衆社会化の一側面をうまく描き出している。

2023/11/11

miaou_u

困難な世界情勢で物価高で消費も冷え込み円安で海外にも行けず、、、という世の中であっても『百貨店』という場所はワクワク感がないと、、、と、しみじみ思います。。。こちらのご著書はフランスの歴史ともリンクさせながらその中での百貨店の成り立ちやライバル店との戦い、客層心理など、消費者側としてもデパート経営や販売に携わっておられる方々にも 知れば知るほど面白く楽しい必読の書📕ではないかと思います…♪ フランスにおける百貨店の成り立ちについては、鹿島茂先生の他のご著書にて、より詳しく触れられております。

2023/12/11

ろべると

以前に読んだ「デパートを発明した夫婦」にフランスのデパートの解説を加えた新装版。パリの老舗デパート「ル・ボン・マルシェ」を1852年に創業したプシコー夫妻は、絢爛豪華なディスプレイと販売戦略により中産階級を巧みに煽って莫大な利益を上げるだけでなく、社員寮や社食の充実だけでなく退職金など店員の福利厚生面でも、現代に通じる業績を遺した。同店の綿密な取材によるゾラの「ボヌール・デ・ダム百貨店」を併せて読み、往時の面影を残す店内に足を踏み入れることで、万博でも賑わった19世紀末のパリの栄華が生き生きと甦る。

2023/12/01

Wataru Hoshii

19世紀半ばのフランスで誕生した世界初のデパート「ボン・マルシェ」こそが、現代の消費社会を生み出したということを論じたロングセラー(1991年の新書の改題)。今でも十分に通用するボン・マルシェのマーケティング、経営術には驚くほかないが、やはり重要なのは「デパートこそが消費者を教育してきた」という指摘だろう。大衆に向けてアッパー・ミドルになりたいという欲望を煽る手法は、今も世界で受け継がれている。鹿島さんの語りの魔力にはまってしまって、あっという間に読み終えてしまう。巻末の「パリのデパート小事典」も便利。

2024/03/30

misui

第二帝政下の「ボン・マルシェ」革命、世界最初の百貨店とされるそのボン・マルシェについて。消費資本主義を生み出したと言われるほどのシステムの確立や、客を消費に駆り立てるためのある種の教育の面に瞠目する。現代日本で自分がよく知っているあれもこれも起源はボン・マルシェにあったのかと驚かされ、色々なテーマが一本に繋がった気分だった。

2023/11/28

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