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愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

作家
打海文三
出版社
角川書店
発売日
2006-09-26
ISBN
9784048737203
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愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ / 感想・レビュー

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宇宙猫

★★★★ 1人になった月田姉妹の椿子が主人公。首都圏では、常陸・パンプキン以外の組織の分裂・統合・消滅が激しく、それに伴って戦闘がおこり混沌とした戦いに飲み込まれていく。行動が無茶苦茶な椿子だが、自分たちはマフィアだと言い切り、ブレずに的確な状況判断を下していく様子はかっこよくすらある。平和な時代なら違った方向に発揮されただろう才能が、暴力を行使するのに使われるのは悲しい。D

2023/07/10

Toshi

1作目と同じく下巻はパンプキンガールズ、但し、1人になった椿子が主人公。男性至上主義者「黒い旅団」との戦いが描かれる。LGBTQに関わる理念を巡っての対立は、漫画的ですらあるのだが、相変わらずの戦闘描写のディーテールとリアリティで、どんどん読ませてしまう。いよいよあと1巻。だが、この戦争に終わりは見えない。

2023/06/09

Ai

マイノリティの集団の中にも、さらに思想が分かれ…、混乱を極める。ゲイというマイノリティであり、女性を差別し、過激な思想を持つ「黒い旅団」の隆盛がおもしろかった。極右思想やマイノリティの弾圧・解放は、今の日本に通じるものがある。打海さんが描いた内戦状態の日本は、未来につながる…?

2017/01/04

愛迷もこ.

″おまえが罪を犯すなら、わたしも罪を犯そう″パンプキン・ガールズのテーゼが心に響いた。戦争に人道的も非人道的もない。いつも飄々としている椿子の戦争に私情を挟まず、ビジネスとして淡々と進める様は、賢明だが不安になる。彼女自身も死を恐れないし、誰のどんな死でも受け止めてしまうから。死様に意味を求めないから、今を楽しんで生きる。だから誰よりも強いのだろうか。

2011/12/30

moti

シリーズ前作「裸者と裸者」と同じ構造の作品。前作ではまだ頼りなく生きていた主人公たちもだいぶ悪党が板についてきた。それに伴って物語の主眼は生から理念へと移っていく。内乱の安定期は短く再び動乱期の様相を見せる中、主人公たちの反差別との理念の対立が、滑稽さを伴った独特のリアリティをもって語られている。作品を占める闘争の描写には若干疲れるものの、やはり挿話との対比はメリハリがあって見事。欲を言えばもう少し海人の理念にたいする葛藤を細かく描写して欲しかった(叶わないけれど)。反差別、という理念は強すぎるから。

2012/03/29

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