KADOKAWA Group

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ロゴスに訊け

ロゴスに訊け

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作家
池田晶子
池田進吾
出版社
KADOKAWA
発売日
2002-06-21
ISBN
9784048837477
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ロゴスに訊け / 感想・レビュー

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里愛乍

池田さんの本に書かれた言葉はいつだって一貫していて、これは最近気が付いたのだけれど、おそらく私は安心したくて彼女の本を読むのだと思う。表面上手放しで安心できる言葉などひとつも仰ってはいないのだけれども、どんなに社会が変わろうとも秒速で情報が更新されようとも、彼女は決して変わりようのない事柄をずっと変わらない言葉で文字にして存在させてくれている。間違いなく本書は私にとって〝絶対に手放したくないような、常に傍に置いておきたいような、そういう一冊〟であるのです。

2015/10/19

ナハチガル

池田さんの本は好きで何冊か読んだけど、これは何だか進まなかった。ぐちっぽかったり、話が飛躍していて、すっと入って来なかったり。私の方が変わったからだろうか。連載をまとめたものだからか。もっとずぶずぶ~と入っていく感じが欲しかったな。それでも十分楽しめたのではあるけれど。「きようびの人々は、子供は天からの授かりものだなど思ってやしないのである。口ではそう言うかもしれないが、そんなことは全然なくて、子供というのは『自分が』作るものだと単純に思っているのである」A。

2021/05/04

Ryosuke Kojika

再読。姉さんの本をで、たまに息苦しさを感じる。特に前半。連載まとめのため、姉さんの体調不良が文体に表れているのだろうか。現に体調不良による思考の乱れは本人も認めている。はたまた、哲学に救いを求めることを断罪する著者に覚悟を問われてのことか。確かに救いを求めているのかもしれない。善く生きる方法がないかと。そも、善く生きることが、思索なしに実践できるわけもなく。そして、私の人生の目標でありながら、最も困難な課題でもある。自分で考えるしかないという当たり前。姉さんにも喜怒哀楽があったということを今更実感した。

2020/11/13

ハル

病み付きである。もういいかと思う反面、また欲しくなる。自分では決して至ることの出来ないこの思索、この感じを彼女の綴る文章を通じて借りるのが何とも言えず心地良いのだ。相変わらず、その言葉の意味を正確に読み下すことは容易でないけれど。分からないこともまた味わいだと考え、凡人でも考えられることを考えれば良いではないか。もとより、人の分かることなど高が知れているのだから。無知の知が腑に落ちると童心とはこういうものだったかという思いに至る。知った気でいる事柄の根本をよくよく見ると不可思議が顔を出す。

2023/07/29

Ryosuke Kojika

「まず霊を証明していただきたい」の件。心が折れる、傷つくと言ったり聞いたりする。自身もそんな感覚を感じることもある。しかし、心が折れるとはどういうことなんだろう。まるで心が個体であるかのような表現。確実に物質ではない心が折れるとはこれ如何に。傷ついた心は何で癒えるか。そもそも非物質の心は傷つくのだろうか。比喩でしょと、言われても。では比喩ではないこの感覚は何でしょう。そして、確認しようのない心についてあれこれ不安がり悩むのが滑稽に思えた。しかし、確実に心について考える私とは何でしょうか。

2019/04/29

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