KADOKAWA Group

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戦争は女の顔をしていない 4

戦争は女の顔をしていない 4

戦争は女の顔をしていない 4

作家
小梅けいと
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
速水螺旋人
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-04-27
ISBN
9784049149951
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戦争は女の顔をしていない 4 / 感想・レビュー

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六点

4巻まで進むと、原作の方も執筆当時の、そしてWWⅡ当時の機微に触れるような話が出てくる。スターリンの大粛清やホロドモール、そして下半身ネタである。何れにせよ「事実を書くな」な圧力が今現在でも掛かっているのが、人の世のどうしようもなさを感じさせる。帯にある通り「かつてあった、今なおそこで繰り返されている、戦争の証言」である。子どもたちはコートのボタン穴から今、戦争を覗いているだろう。ヒトラーとスターリンの間のヨーロッパで繰り広げられる血みどろの世界は、世界の果ての島国では想像もつかない修羅の世界なのだと思う

2023/05/01

眠る山猫屋

今回は拾遺的なエピソード多数。戦後差別の一端ともなった戦場での恋のお話も。そりゃ命の瀬戸際だったら、恋だってしちゃうよねぇ。パンを焼いたり洗濯したり、銃を持たなくても戦場に立った女性たちのエピソード、激しい攻撃の最中でも彼女たちは与えられた任務を全うした。きっとそんな女性たちの方が多かったのだろう。やりきれない。けれど最後の郵便配達員の少女っぽいエピソードに救われた。

2023/11/06

まる子

前線に行っていた彼女たちから次々と手紙が届く。そして彼女たちの話を聞く。戦争で飢えた人々、戦場に売春宿や避妊具はない。恋をした彼女たちは戦地での第二婦人。しかし戦争が終わると彼らは…。とにかく「前進!後退は許さない!」と、スターリン命令227号は味方が味方を殺す。見せしめの銃殺。穴の空いた血に染まった、片方がないズボン、それらを洗濯する事の意味は…。夢みていた職業とは違う、帰ってきてからも悪夢に唸らされる彼女たち。それが戦争。帯にあるように、その戦争が今、繰り返されている。

2023/05/02

みやしん

従軍女性達の語る長い話と短い話。兵士達のドンパチだけが戦場の全てではない。戦場の狂気とは平和な時代からはいくらでも言えるが、後に引けない状況から冷めるとおぞましいのは特攻礼賛と督戦隊等がその代表例か。死体と砲撃と寒さの中彼女達の見つける小さな安らぎもあったのだろう。極限世界から帰還した者だけが語れる証言。

2023/06/15

くさてる

「かつてあった、今なおそこで繰り返されている、戦争の証言」まさにそういう内容で、戦争が奪うもの、それでも奪われなかったもの、与えたもの、無くしたもの、さまざまなエピソードがどれも印象的だった。丁寧なコミカライズとして読み応えあり、原作のほかのエピソードも描いてほしい。

2023/05/14

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