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キャラクター小説の作り方 (星海社新書)

キャラクター小説の作り方 (星海社新書)

キャラクター小説の作り方 (星海社新書)

作家
大塚英志
出版社
星海社
発売日
2013-10-25
ISBN
9784061385405
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キャラクター小説の作り方 (星海社新書) / 感想・レビュー

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みのくま

本書は複雑な作りになっていて、本編ではラノベから明治の私小説まで含めてキャラクター(仮構の私)による世界観で構築されたキャラクター小説であると肯定的に書かれている。この本論の主題は、手塚治虫が実現した「死なない身体」から「死んでしまう身体」への表象を、いかにキャラクター小説で書くかという問題だったのだ。だが、補講及び新版あとがきでは率直にラノベへの失望が書かれている。キャラクターという器に閉じこもり外部を遮断してしまったラノベに、著者が期待する社会との関わりは確かに望めないであろう。だがそれは本当だろうか

2020/11/17

放蕩長男

キャラクター小説、今はライトノベルと言われるジャンルですが、これは既存の文学「自然主義文学」と何が違うのか。私小説とキャラクター小説の「おもしろさ」の違いと共通点は何か。創作物にオリジナリティがあるorない、というのは、どういう状態を言うのか。テーブルトークRPGに熟達することが、小説を書くこととどの様に繋がるのか。文学論と小説の書き方が入り混じった、タイトルとは裏腹に非常に内容の濃い、考えさせられる一冊でした。

2016/07/19

ちゅん

小説を書こうとされている方にもオススメできますが、小説はどういう考えをもって書かれているのかを知りたいという方にもオススメです。面白い小説。その一つの手法としてリアルを描くというものがあります。ドキュメンタリー番組が面白く感じるのはその理由ですね。しかし、ライトノベルはその手法が通じません。そこで、考えるべきはジェームスの「アイデアのつくり方」に基づく考えではないでしょうか。魅力的なキャラクターは話を面白くします。それは既存の要素の組み合わせということ。納得ですね。

2018/05/18

ころこ

タイトルと内容が合っていないので、本書の評価が低いようです。『キャラクターがつくり出すオリジナリティとは何か』というのが本書を表すのに適した表現ではないでしょうか。明治近代文学の自然主義が主流と思っている読者にとっては、写生がオリジナルという先入観がありますが、著者はキャラクターの典型にこそオリジナリティがあると言います。近代以前の古典の読み方にキャラクターの起源があり、その伝統と現在のマンガ、キャラクター小説が地続きの地平にあり、読者は勝手に動き出すキャラクターが、あちこちに場面ごと分岐する可能性を秘め

2017/08/31

ざっきー

【図書館】そのうちに読もうと思って幾星霜。最初の版が発行されたのが2003年なのを見て、絶句しました。90年代への言及。911について。挙げられた出版社が、電撃、スニーカー、富士見という点も時代を感じさせる。大塚先生が見た今の出版状況についての話を聞いてみたくなる。(ラノベを謳ったレーベルの多量の参入。さらに、なろう系のラノベへの参入など。)

2020/01/15

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