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デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書)

デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書)

デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書)

作家
鹿島茂
出版社
講談社
発売日
1991-11-18
ISBN
9784061490765
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デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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磁石

デパートはファム・ファタールだった。人を、特に女性を魅了し虜にさせ散財させる、そんな仕掛けがそこかしこに埋め込まれている。また教師でもあった。「ハイクラス」の生活スタイルを啓蒙しお客たちをそこに導く、より良い生活のビジョンを魅せ続ける。さらには、野心持つ若者たちに新たなる人生の航路を指し示した。政治家か軍隊か家業を継ぐ以外、会社で出世するサラリーマン人生が登場した。ただ、新しい働き方・社会が様変わりしたと思いきや大家族的商売と同じだった、娘=会社のシステム。お金と欲望で結ばれた一大ファミリー=デパート。

2017/03/20

kakoboo

これは良いですね。19世紀にフランスでデパートの先駆けとなるボンマルシェを立ち上げたブシコー夫婦が消費・買い物をというものを世の中にどのように広め、人々の生活がどのように変わっていったかを考察しています。小売業が発達した背景から始まり今日当たり前だに行われていること(現金決済、福利厚生、通販等)や画期的な取組(販売員の地位向上、ウインドウショッピング)を積極的に導入していき、それだけでなく社会福祉や従業員の幸せを考えている経営者のフィロソフィーが感じられました。引用でゾラの文章がジワジワとくるのもいいです

2018/01/18

ふろんた

従来の必要なものがあって店主にお伺いを立てて購入する個人商店のあり方を覆すデパートを創り上げた夫婦の話。店に入ってから買うものを決める。買うものがなくても足を運べる陳列販売が、必要なものを買うことから欲しいものを買うという変革を起こし、中産階級の消費活動を激しく促した。販売手法も福利厚生制度も前例がないゼロからのスタートでここまでできるのか。1991年出版なので、鹿島さんの解説にバブルっぽいところがある。

2014/07/29

noémi

今から25年以上前の本だが、それでも結構面白かった。明治の初め頃のフランスで、こんなに日本的な精神のデパートが存在していたなんて。革命以来の博愛精神がこんなところで花開いたのは不思議な気がするが、大量消費社会になったから、一介の丁稚風情でも実力次第でデパートの取締役になれる、そんな希望に満ちた時代だったのだ。またデパートが人間の欲望に火をつけ、こうありたいというプチブル生活を教唆していたとか、あと地方や外国人のために通販をしていたというのは本当にびっくり。非常に面白かった。

2017/10/12

ネムル

巨大デパートという欲望喚起装置によって、大量消費経済を生み出したブシコー夫婦の戦略の数々。それも十分に面白いが、後半は大量消費社会どころか近代資本主義の礎さえも作ってしまったかのような、世紀の天才ぶりが描かれる。社食・独身寮による健康管理や語学・スポーツの社員教育制度、さらに株の社内貯蓄や養老年金制度まで描かれるに、これが19世紀の話とはとても信じられない。写真・図版も豊富で非常に嬉しい

2013/12/23

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