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壬申の乱 清張通史(5) (講談社文庫)

壬申の乱 清張通史(5) (講談社文庫)

壬申の乱 清張通史(5) (講談社文庫)

作家
松本清張
出版社
講談社
発売日
1988-12-08
ISBN
9784061843585
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壬申の乱 清張通史(5) (講談社文庫) / 感想・レビュー

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レアル

壬申の乱が如何にして起こったかを人間関係と置かれている立場、そして力関係を軸に考察している。日本書紀に書かれなかった壬申の乱。その不思議に著者は挑んでいる。そして帯に描かれる「通説に挑む」といった文面。推理小説家ならではの大胆な推理力が読む手が止まらない。イヤもしかしたらこういう物語であったかも?とも思う。面白い。

2021/12/13

KAZOO

壬申の乱から大化の改新までを多くの資料を渉猟して書き上げています。基本的な勉強をあまりされておられない松本清張がこれだけのものを書きあげるということは本当にすごいと思います。見習いたいと思います。

2014/12/21

おとん707

壬申の乱については無知だったが、終戦前夜に国体を死守しようとした人達の拠り所だった「日本は万世一系の天皇の国」の根拠が揺るぎかねない事件であったことを初めて知った。つまり天皇系譜には無いとされていた皇位簒奪が壬申の乱で大海人皇子(天武天皇)によってなされた可能性を否定できないという事。明治から終戦まで壬申の乱はタブーとされ国定教科書からも意図的に削除されていたそうだ。死に追いやられた大友皇子(弘文天皇)がその時点で即位していなければ単なる皇位争い、即位していれば簒奪となる。戦前なら危険な議論だっただろう。

2022/08/30

はちめ

著者が当時の研究成果を読み込んで著者なりに推理したものだが、事実を求めるスタンスというより小説としてこうあったほうが面白いといった解釈で、歴史書としては読みにくい。これに基づいて歴史小説を書いたら良かったのにと思う。☆☆☆★

2020/08/25

新父帰る

壬申の乱はいろいろな人が書いているようだが、小生にとっては松本清張のこの書籍が初めてだ。清張の一貫した主張は大海人側が大友の皇位を簒奪したというもの。だから、書記には止む負えず大海人側が蜂起したと弁解調にならざる得なかったと指摘。つまり、書記の記述は勝者のそれだと。各説の異論を史料や帰納法を用いて丁寧に反論して行く筆致は、是非は別にして何か小気味がいい。今まで清張の作品は推理小説しか読んでいなかったので、この歴史書はとても感動した。今度は他の研究者が書いたものを読んで比べてみよう。

2020/01/19

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