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日本文化私観―坂口安吾エッセイ選 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

日本文化私観―坂口安吾エッセイ選 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

日本文化私観―坂口安吾エッセイ選 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

作家
坂口安吾
川村湊
出版社
講談社
発売日
1996-01-10
ISBN
9784061963535
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日本文化私観―坂口安吾エッセイ選 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー

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厩戸皇子そっくりおじさん・寺

先日から評伝を含めて4冊の坂口安吾論を読んでようやく私なりの安吾論が生まれた。改めて安吾が読みたくなり、角川文庫版『堕落論』と重複していない未読のものだけ読む。すると未読は全て前半部のものだった。若き日の安吾の文章は今読むとキザである。私は出口裕弘と違い、安吾は後半になればなるほど面白くなっていると思う。私の好きな「軽み」が出てくる。ファルスを忘れた頃にファルスが完成している。『信長』なんて最も漢字の少ない歴史小説である。『真書 太閤記』の未完が惜しまれる。『イノチガケ』は歴史嫌いには地獄だろう。

2019/11/06

A.T

前半は戦時中、後半は敗戦後1年にも満たない中で書いたエッセイという2部構成。とはいうものの、元来無頼な生活や態度の人だったからさほどの変化があるわけでもなく。昭和12年、京都のいくつかの場所に移り住んでいた話が良かった。嵯峨 車折神社真裏の嵐山劇場のうらぶれた風情に旅芸人の侘しさが相まって、わたしなぞはとても1人で入れないが、安吾はそこへ毎晩通う。そばの渡月橋あたりの出店がチャラチャラした賑わいに反して不潔と襤褸と芸人の下手さが痛々しい層をなして、心のヒダもヒリヒリいたたまれない。

2024/01/17

まこ

堕落論2冊以外でも古いものに対しての神聖化に疑問視している辺り、これが安吾先生の持論なんだろうな。昔の人であっても同業者に対してツンデレな態度とってるw

2022/07/10

u

とっても面白く、且つキケンな批評的エッセイの数々。平易で力強く、単純にして豪快な語り口や逆説は、冷静に立ち止まってみれば論理の飛躍なりそもそもの前提のおかしさなりが潜んでいるんだけど、何にせよ面白いので気にせず読んでしまう。再読の「堕落論」はもちろん、「文学のふるさと」や「牧野さんの死」、「青春論」における宮本武蔵の話も面白かった。眉に唾をつけつつ、また時には自ら進んで騙されつつ読んだが、ところどころ反抗したくなるのは、僕が幸せな家庭に育った甘ちゃんであり半端者であるためか。 (…)

2016/10/14

あにこ

坂口安吾らしさ全開の一冊。ああ、この感じ。やっぱり安吾は分かってる。わが友安吾、といいたい気持ちになる。■日本文化私観って結構若いときに書いてたんだな。文体にも若さがにじみ出ている。花田清輝もスタンダールも、わたし自身好きな二人なので、感覚が近いのかもしれない。安吾が『いいね』したものを探求してみると、なんだか素敵な発見がありそう。

2020/12/29

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