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解体諸因 (講談社文庫)

解体諸因 (講談社文庫)

解体諸因 (講談社文庫)

作家
西澤保彦
出版社
講談社
発売日
1997-12-12
ISBN
9784062636735
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解体諸因 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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しんたろー

西澤さんのデビュー作。バラバラ殺人に限定した短編集だが陰惨な雰囲気はなく、パズルを楽しむように謎を解き明かすので、飽きずにサクサク読めた(舞台劇編は少々冗長だが)。幾話かの繋がりを鮮やかに結ぶ、どんでん返し的な種明かしが最後にあるのも嬉しかった。ギャグや説明文にクドイ部分が散見するが「面白いミステリを書いてやろう」という意気込みが伝わってくるし、事件の状況設定が良く考え込まれていて、トータルで大きくプラス評価。「推理ゲーム」として軽く楽しめる娯楽を真面目に丁寧に創っている感じがして、改めてファンになった。

2018/12/22

ダイ@2019.11.2~一時休止

匠千暁その1。デビュー作。解体(バラバラ殺人?)に特化した短編集。面白かったんですけど、登場人物が多くて「あんた誰?」となることも・・・。

2015/08/25

うりぼう

解体のエグさではなく「なぜ解体したのか」を解き明かすパズラー作品。1話〜7話までは短編。8話目の長編が戯曲風(意味はある)で、そして最終章でパズルは解き明かされる。タイトル通り全話が解体に纏わる話だが、本格的なものからぬいぐるみ解体事件など趣向はさまざま。突拍子もないものも多かったけど、もう西澤先生ってばパズラーにも程がある!笑。急カーブの下り坂を猛スピードで右へ左へ走るもんだから「もう好きにして…」と思考は停止。免許取り立ての彼の助手席に乗って失神して気づいたら「え?ここどこ?」みたいな感覚に陥りました

2019/09/11

Tetchy

「解体」という二文字をキーワードにして、何かを切り取られた事件を扱っているが、非常にヴァラエティに富んだ内容で緩急を持たせ、同類事件の話の繰り返しにならないよう、作者が入念に配慮しているのが解る。殺人事件から日常の謎までと作者の器用さが十分に出ている。しかし匠千暁の初登場シーンは笑ってしまった。彼の部屋には膨大な書籍で占められているとのこと。これは明智小五郎を筆頭とする日本の推理小説の探偵役の系譜である。乱歩没後数十年経っても、名探偵の特徴は変わらないのだなぁと苦笑した次第である。

2010/03/11

aquamarine

再読。バラバラ殺人ばかりを扱った短編集。ちゃんと匠千暁シリーズなのですが、一編目で視点「ヤスヒコ」って誰?と。友人を語るシーンにも彼らしき表現が出てくるしこの本を書いている時点ではまだウサコの代わりにヤスヒコが出てくる設定だったんでしょうか。そんなこともありシリーズの他の本に比べると感情移入や入り込みはしにくいと思います。でも少々無理やり感はありますが他のシリーズ短編集と違ってちゃんと連作短編になっていることには驚きました。デビュー作でもちゃんと綺麗に伏線を仕込んで過不足なく回収する様は見事です。

2015/09/17

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