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美しき一日の終わり (講談社文庫)

美しき一日の終わり (講談社文庫)

美しき一日の終わり (講談社文庫)

作家
有吉玉青
出版社
講談社
発売日
2015-04-15
ISBN
9784062930932
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美しき一日の終わり (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

愛を貫くとは、やはり誰か一人に対してしか無理だと私は思うのだ。もちろん、そういう1人に出会う前に複数の人に惹かれることもあるだろうが、こういう重なり方は不誠実だと思う。他の誰かを心で思うために、裏切りながらもきちんと妻の務めは果たす、というのは、愛の偽善ではないかな。秋雨は、ひたすら可哀想だった。しかし、この作品で気になったのは、何より母と娘の関係だった。息苦しくてしんどかった。

2018/05/02

いつでも母さん

何と各章の美しい言葉だろうー初めの【霧の香】の章で、なんとなくストーリーは想像出来るのだが、こんなに美しく日本語を綴られるとは・・そして70歳の美妙が朝晩の肌の手入れを怠らないというだけで、もう参りましたって感じです(汗)あなたは『死ぬまでただ生きていただろう。死んだように生きていただろう』なんて感じる想いをしていませんか?と言われたようでちょっと苦しい。『ただ一緒にいたかったのだ。』なんて古希の女に言わせる相手がいますか?そうしてドキドキする最期に持っていくのですね。嗚呼、参りました。

2016/11/16

しいたけ

「人生はいっすいの夢」。叶うはずのない二人の夢は、十三夜の月の下ひそやかに時を経る。深く噛みしめた激情も、守りたいと思いつめた愛しさも、身体に記された甘やかな罪の痕も、掴みたいと願った生きる意味も、全ては一日の終わりに流れ着く。「美しさは死ぬ前の一瞬の輝きなのかもしれないね」。胸に大切な月影を置く人生。淋しいのに、切ないのに、心には暖かな灯がともる。十五夜にわずかに足りないその欠けを、想い合う二人が埋めていく。「よく、がんばったね」ああ、本当にがんばった。よく、生きた。そして美しかった。

2017/01/11

ちゃちゃ

秋を彩る紅葉の美しさは、散りゆく前の一瞬の輝きと哀しさを纏う。美妙と秋雨の秘めた恋心は、静かな秋の一日を最期に結実する。異母姉弟として出会った二人。姉は運命に流されるがままに、弟は運命から逃れた末に、55年の歳月を経て行き着いた十三夜。満たされた想いに微笑みさえ浮かべて歩き出す二人。これでよかったのだろうか。本を閉じた私の逡巡は、答えを見つけられないまま切なさとともに宙に浮く。女という性(さが)ゆえの懊悩を、何と精緻に、妖艶に、描き上げる作家だろう。その巧みさと美しさに、息苦しくなるほどだった。

2017/10/27

ナミのママ

恋愛小説はめったの読まないのですが、以前より読友さんの感想がとても良かったこの一冊。思うところあって手にしてみました。最初に丁寧な日本語と美しい描写に背筋が伸びました。恋愛というより女の一生と感じられます。少女から大人へ、そして母になり祖母となる、女性の芯にはずっと1人の男性がいるのです。愛するとはどういう事なのか、愛の形に決まりはないのだと、胸が熱くなります。この一日のために生きてきたんだと思えるような、タイトルどおりの素敵な一日でした。

2018/02/26

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