新・水滸後伝 上巻
新・水滸後伝 上巻 / 感想・レビュー
山本真一郎
読了。かなり久しぶりになる田中芳樹の中国史小説。「蘭陵王」以来では無いだろうか。同作品に比べるとリアルさとダイナミックさに欠けてしまうのは、やはり演義体を書き起こした様な小説だからだろう。同作者の作品としては「隋唐演義」「岳飛伝」に近い。時代背景としては「靖康の変」の前後なので、中国史としては正に歴史の節目の頃だろう。中国史は好きだとしても水滸伝には然程関心を持った事は無かったので、その意味では結構新鮮に読めた。物語の運びも淡々としているので比較的読み易い。ただ登場人物の多さにはやや辟易しつつ下巻に続く。
2018/09/11
ありおりはべり いまそかり
田中芳樹のど真ん中って感じですな。水滸伝じゃなくて水滸後伝ってチョイスも田中芳樹。石を投げれば元梁山泊。これだけの傑物がゴロゴロしていて何故歴史が混迷するのやら。そして中国古典あるある「登場人物多すぎて混乱する。」解決策求。
2018/08/19
鐵太郎
田中芳樹さんの新装版・水滸後伝。水滸伝の脳天気さと最後の悲惨さのあとどんな物語が書かれたのかは知りませんでしたが、こういう脳天気なものだったんだろうなぁ。政府の役人はほとんど腐敗しており、悪いヤツは常に結託しており、好漢は常に颯爽とね。ふむ。田中さんの夢の世界なのか。こういう物語を書かせると生き生きしますね、この方。面白い。テーマはスカスカだけどさ。そうそう銀英伝で「歩くシャーウッドの森」と名づけられたあの連中は、もしかして「歩く梁山泊」と呼ばれるはずだったのかもしれません。
2018/12/25
しーふぉ
吉川英治版の水滸伝は読んだことあるので、その後を楽しく読んだ。生き残った好漢たちがまた徐々に再結集、下巻はどんな結末を迎えるのか楽しみです。
2019/10/31
あ
こんなものを出したか、田中芳樹。アルスラーンの最終巻の出来が頭にあるから、本屋で見かけたときは、う~んと悩んで上巻だけ買ってきたんだ。東洋文庫じゃないけど、原典の方は相当前に読んでいて、それにかなり則った展開だろうか。改めて集結しはじめる豪傑たちの顛末は、原点の水滸伝で面白いと思った祝家荘との闘いくらいまでのエピソードに近いノリ。北方謙三だと楊令伝の前三分の一くらいまでに相当するか。どちらも面白いけれど、こちらの方が活劇的なノリが良い。下巻を慌てて探す。
2018/09/24
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