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レッド 最終章 あさま山荘の10日間 (KCデラックス)

レッド 最終章 あさま山荘の10日間 (KCデラックス)

レッド 最終章 あさま山荘の10日間 (KCデラックス)

作家
山本直樹
出版社
講談社
発売日
2018-08-23
ISBN
9784065124116
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レッド 最終章 あさま山荘の10日間 (KCデラックス) / 感想・レビュー

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ぐうぐう

10日間に及ぶあさま山荘籠城の中で、象徴的な出来事がいくつか起こる。ひとつは、ニクソンが電撃的に中国を訪れたこと。ひとつは、たった5人になってなお自己批判を求めそれに応えていること、そしてもうひとつ、すでに総括において処刑されている安達(寺岡)の親が息子の死を知らず投降を呼びかけていること。この場所が終着駅であることを、これら象徴的な出来事が証明しているのだ。植垣康博が帯の惹句で述べているように、『レッド』の素晴らしい点は、事実を無視した創作が持ち込まれていないことだ。(つづく)

2018/08/31

kei-zu

あさま山荘での攻防を母は私の弟を産んだ産院でのテレビ中継で見たという。 立てこもり、包囲の警官たちに銃口を向ける登場人物たちの行動は「狂気」としか言いようがない。 クライマックスに近くなっても、著者の筆致は冷静だ。緊迫する物語のコマを目で追いながら、読者は、なぜ、どうしての気持ちが拭えない。 巻末にシリーズ各巻の紹介がある。第1巻の紹介「ごく普通の若者達が、矛盾に満ちた国家体制を打破するため、革命運動に身を投じていく。それは「正しい」ことのはずだった…」。なぜ、どうして。

2021/04/03

へっけ

12年に及ぶ連載は、今作にて完結する。印旛沼、山岳ベース事件で14名。あさま山荘事件で3名。連合赤軍が起こした一連の事件によって、計17名が犠牲となった。国を、世界を変えよう、革命を起こして戦争を無くそう。そんな純粋無垢な思いが膨れ上がり、武装闘争を選択した若者たちは、取り返しのつかない過ちを犯した。それでも私の心中で、彼、彼女らの思いを全否定出来ないのは、普通に恋愛したり、笑い合ったりする、一般的な若者の姿を描いているから。どうしても親近感を感じてしまう。主要人物、植垣康博(岩木)のメッセージも収録。

2018/08/26

くさてる

12年かけて書ききった、まさに最終のこの一冊が、圧倒的な重みと完成度でこちらに迫ってくる。彼らの行き止まり。彼らのたどり着いた場所。あくまでフラットな視線で描かれたその心情と行動はそれゆえにときに滑稽で意味不明で冷酷で、ときに楽しく同情すべき共感を覚えさせるものになる。でも、あの凄惨な第二部を通り過ぎ、たどり着いた場所がこれだとしたら、やはりあまりにも、あまりにも。思想的なことはともかく、マンガとしての構成、完成度、絵や構図も素晴らしいと思います。すごい作品でした。

2018/09/22

アズル

『レッド』完結。コメントを寄せた方に驚愕。最終章は特に、淡々と描かれていて、山本直樹の筆致の素晴らしさを実感しました。以前、録画しておいたNHKの「漫勉」をもう一度、観なおしておきました。この作品は、たくさんの人たちに読んでほしいと強く思います。最高。

2018/08/25

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