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琥珀のまたたき (講談社文庫)

琥珀のまたたき (講談社文庫)

琥珀のまたたき (講談社文庫)

作家
小川洋子
出版社
講談社
発売日
2018-12-14
ISBN
9784065139967
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琥珀のまたたき (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ@ゆるりと復活

夜の月をうけて手足はしろい薔薇となり、絡まった。籠の中の鳥は空をとぶ夢をみる。鳥をあわれだとひとは言うけれど彼らがいったい何を知っているというのか口を噤め。宝玉たちは夕焼けの光でしあわせをうたう。永遠はたしかにそこにあったでしょう。そうひそやかに咎めたバレリーナはいってしまったね。わたしにはもう、おもいでを左目に閉じこめて生きることを慈しむしかありません。どうか、脅かさないで。どうかこれ以上ないほど絞った音量で、眠りにつくまでカノン奏でてください。

2020/05/19

ふう

人の心はどこまで自由に広がり、そして自由に閉じることができるのでしょう。その心を、琥珀色の左目に大切に入れて生きた少年。世界も心も少年の左目の中にあり、ときを経ても何も失われてはいない。そこにいてほしい人はいつも静かにそこで微笑んでいる…。そんな小石がわたしの中にもひっそりと埋もれていてほしいと思う、小さな悲しみと深い喜びに満たされた物語でした。

2019/08/08

エドワード

子供の頃の私は、図鑑が好きで、一日中眺めていても飽きなかった。図鑑を編集する父が建てた別荘に住む、オパール、琥珀、瑪瑙と名付けられた三人の兄弟と母、亡くなった妹は琥珀の瞳の中で生き続ける。壁の中で暮らす四人の、濃密で愛に満ちた暮らし。図鑑には世界の全てが凝縮されている。時折訪問する、ロバのボイラー、よろず屋ジョーが壁の外の情報をもたらしてくれる。なんと美しい小世界、これこそ小川洋子さんの物語だ。年老いたアンバー氏はもちろん琥珀だ。童話の中でも人は生きていける。アンバー氏の「一瞬の展覧会」を私も見てみたい。

2019/01/01

優希

幸福だけれど不幸な色彩の物語でした。物語の持つほの昏さは大人の童話のような美しさがあります。それでいながらどこかに居心地の悪さを感じます。母親と母親の約束をひっそりと破る空間に馴染めないのかもしれません。全体的に歪んで見えました。だからこそ危うい綺麗さが全編を貫いているのかもしれません。

2020/07/01

佐島楓

小川さんの文章は、いつも冷たいタイルのような感触がする。本作もその印象は変わらない。愛情の由来する場所が場所だけに、この物語のなかの問題をどう受け止めればいいのかわからなかった。ただ悲しく、恐ろしい。

2018/12/24

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