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光をえがく人

光をえがく人

光をえがく人

作家
一色さゆり
出版社
講談社
発売日
2021-06-16
ISBN
9784065168202
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光をえがく人 / 感想・レビュー

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nobby

これはいい!あえて飾らず率直な言葉で表したい!油絵に水墨画、布に書かれた絵、フィルム写真そして人形、芸術大学出身の作家ならではのバラエティ感に加え、アジア時事問題を絡めて描く見事な5篇。朝鮮半島・香港・ミャンマーの哀しき歴史や情勢を平和ボケな我々に提示する衝撃…逆に虚しき日常にフィリピンやモンゴルの伝承や牧歌的な事象から感じさせる安堵。創作者たる人物達の目線ながら決して遠すぎない感覚で読めるのが魅力的。悲しさや寂しさ多く語られるが、各話ともに光が射し込み勇気与えられるラストに導かれるのが素敵♬これはいい!

2021/09/02

シナモン

アジアの政治情勢にアートを絡めた短編集。「写真家」で壊れかけた家族に希望がみえて、あ~良い話だったなぁと思ったら「光をえがく人」での厳しく過酷な描写に読んでて辛くなった。そして自分はアジアの政治情勢に疎いんだなぁと思い知らされた。「香港山水」水墨画では描かれたものを見るのではなく、描かれたものを通して、自分の心を見ることが大事。なるほど。勉強になった。どんな時代、状況でもアートの力は希望になる。読んで良かった。

2021/10/25

アン

アジアの国々を背景に美術を題材にした短編集。画家の友人と拾ったアドレス帳の住所を訪ねる「ハングルを追って」、フィリピンからの留学生に人形づくりを教える「人形師とひそかな祈り」、香港にアトリエを持つ現代水墨画と実業家夫人の邂逅「香港山水」、ミャンマーの監獄でロンジーに絵を描く表題作など5編。尊い出逢い、果たすべき役割と希望、未来への道しるべ。それぞれの国の社会情勢を絡ませ、静かな筆致で人々の心の痛みや嘆きを描きながらも、星が瞬く空に祈りを捧げたくなるような気持ちに。優しい光に包まれた表紙絵も素敵です。

2021/11/10

アキ

アジアの現代アートを題材にした短編5作品。東京藝大から香港中文大学で学んだ経歴からアジアのアートに親しみを感じているのであろう。芸術に資本主義が切り離さない現状だからこそ、芸術自体が持つ社会とのつながり、ひととひとをつなぐ力、家族とのあり様、国を越えた共感を、肯定的に紡いだ物語に爽やかな読後感に繋がるように思えた。韓国にルーツを持つ画家、京都の人形師、香港の水墨画家、モンゴルに渡った写真家の父と残された娘との再会、ミャンマーの監獄で描いたロンジー、どれも光を捉えようと上を向くハッピーエンドな物語。

2021/08/23

ゆみねこ

一色さゆりさん、初読み。図書館の新着棚で見かけて手に。アートをテーマにした5つの短編。拾った手帳のアドレスを訊ねて韓国ソウルへ出掛けた「ハングルを追って」、祈りを込めた人形を手掛ける人形師の物語「人形師とひそかな祈り」が好きです。

2021/07/05

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