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愛されなくても別に

愛されなくても別に

愛されなくても別に

作家
武田綾乃
出版社
講談社
発売日
2020-08-26
ISBN
9784065205785
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「愛されなくても別に」のおすすめレビュー

愛されなくても生きてていいですか? 親のために働きつづける女子大生が背負う「親子愛」という「呪い」

『愛されなくても別に』(武田綾乃/講談社)

 愛されること。それは世の中に数多くある“こうあるべき”という価値観のうち、ひと際逃れがたい「呪い」である。家族やパートナー、友人に愛されることは、まるでそれ自体が人間の価値を決めるかのように語られる。SNSを見れば、自分が「愛されている」ことでマウントをとる人や、逆に「誰からも愛されない」ことを嘆く人がいる。さらには、「愛されるには○○すべき!」とテクニックを語る人もいて…。この世は無数の「愛されたい」にあふれている。

 それなら、愛されない人生は幸せじゃないのか。愛されなきゃ生きちゃいけないのか。武田綾乃さんの新刊『愛されなくても別に』(講談社)は、そんな世界に対する反抗なのだと思う。主人公の宮田陽彩は、19歳の女子大学生。母親とふたり暮らしの彼女は、1日8時間のアルバイトを週6でこなす。睡眠時間を削って働く理由は、家に入れるお金(月8万円)と年間約100万円の学費を稼ぐためだ。母親は年収400万円ほどあるが、浪費癖がひどく学費は払ってもらえない。家事もできないから、ご飯は陽彩が作る。

 陽彩が抱えるのは…

2020/9/5

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愛されなくても別に / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

こっちの【愛】だったかぁ。『愛情は、すべてを帳消しにできる魔法なんかじゃない。』ー愛されてたら、子供はなんでも許さなきゃいけないわけー「私、家族辞めるよ」そう言って自分の人生を生きることができるのはいつ?そこしか居場所が無いと、それでも親を求める子供が沢山いるのだろうと思うと親として私は遣り切れない。私の【愛】は自己満足の押し付けだったのかもしれないなぁ。いつか息子に聞いてみたい。「愛されなくても別に」は強がりの寂しい言葉だが、親とか愛とか考えさせられる本作。誰もが自分の人生を生きて行け!

2020/09/28

fwhd8325

また、新しい感覚の作品、作家に出会えたことがとってもうれしい。彼女たちが抱えてきたもの、これからどういう時間を過ごすのかという陳腐なことよりも、まさにその瞬間瞬間が面白いと思います。それは救いようのない出来事もあるけれど、けっして悲惨だと表現できない、いい意味での割り切りを感じます。日本の物語なんだけど、どこか異国の物語のような新鮮な感覚を忘れません。

2021/11/16

シナモン

奨学金や養育費まで使い込んでしまう母親。信じてたのに…育ててもらった恩があるから尽くしてたのに…。通帳の残額3万円の文字を見たときの陽彩の気持ちを思うとやりきれなさでいっぱいになった。「いいじゃん、愛されなくても別に。他人から愛されなければいけないなんて、そんなのは呪いみたいなもんだよ」江永の言葉が胸に刺さった。人生、まだ始まったばかり。この先も母親、家族の呪縛に苦しむこともあると思うけど、みんな幸せに生きていってほしい。重いテーマだったけどスピード感もあり読みやすい一冊でした。

2020/11/08

machi☺︎︎゛

当たり前のように親からの愛情を受け、また親になってからは子供に対し当たり前に愛情を注いできた私には想像しかできないけど歪んだ愛情で愛されるくらいなら、愛されなくても別に。ということになるのだろうか。いわゆる毒親を持つ3人の、主には2人の友情は成り立つのか。嫌な計算無くお互いを必要とする。私はなかなかこの2人の関係性は理解できないけど今の若い子達らしい生き方だと思った。宮田と江永のこれからが幸せなものである事を願う。

2020/12/16

美紀ちゃん

親からのネグレクトや歪んだ愛情、未成年の子供にとって親と離れることは相当の勇気がいるはず。からの、「他人に愛されなくても幸せに生きることを許されたい。いいじゃん、愛されなくても別に。」闇も経験して深い言葉だと思う。木村が、自分が不幸だって言ってることにムカつく。親からは過干渉すぎるが、お金持に苦労することもなく甘えていて、お前なんかより私の方が苦しんだのにと。不幸中毒。不幸度で勝ちたいなんて思ったら、最終的に自分から不幸になりたがる奴になってしまう。1人じゃないって心強い。 江永がいい奴で良かった。

2020/12/08

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