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海蝶 鎮魂のダイブ

海蝶 鎮魂のダイブ

海蝶 鎮魂のダイブ

作家
吉川英梨
出版社
講談社
発売日
2022-04-27
ISBN
9784065275801
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海蝶 鎮魂のダイブ / 感想・レビュー

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absinthe

面白かった。被災体験を持つ女潜水士”海蝶”の活躍。海上保安官にも、PTSD患者はいた。同じ被災体験から退職海上保安官との恋に落ちる。被災者にも序列。部外者には伺い知ることのできない心の傷。暗いテーマに負けそうな作品だったが、最後に元気な海蝶が戻ってきた。水上警察シリーズに比べると、やや大人しい気がする。実際の大震災をテーマに扱ったことで、いつもの冒険活劇風とは少し趣が違う。これもまたよし。

2022/07/22

いつでも母さん

サブタイトルは『鎮魂のダイブ』海蝶・忍海愛にまた会えた。今回は恋愛が絡む。それは東北の震災で出会った2人の物語。震災のPTSDを乗り越えた愛と、いまだ抱えたままの元海上保安官・佐﨑。2人を見守るバディ・八潮や仲間たちが好い。更には愛の父と兄が今回もグッとくる。2人が乗船したフェリーで起きた有毒ガス事件により、互いの本音が剝きだされるが、その事件の臨場感が半端なくページをめくるスピードが上がる。心の傷はそれぞれ違い想像をはるか超える圧倒的な現実に、苦しく切なくなるのだが目を逸らせられない。今回もお薦めです。

2022/05/26

しんたろー

シリーズ2作目なのでパワーダウンを心配したが杞憂に終わって作者の筆力を再認識。震災のトラウマに焦点を当てて、東日本大震災に限らず、復興の難しさや日本社会の問題点に言及している点も考えさせられる。だからと言って堅苦しい訳ではなく、ラブ+サスペンス+ユーモアを織り交ぜて楽しませてくれたし、涙腺が緩むようなシーンもあって嬉しい。主人公・愛を始めとした登場人物たちが人間味豊かで感情移入し易く、彼らの目線が変わりながら物語が進行する構成も巧妙。愛の成長を見守りながら、第3弾も期待できる好シリーズに育っていると思う。

2022/06/26

ちょろこ

それぞれの3.11の一冊。前作も良かったけれど今作も正義仁愛が熱くてたまらない、止まらない。11年の時を経ての再会から始まる恋と震災の記憶の再燃。涙溢れ出すそれぞれが抱える3.11。そこに重さのレベルの違いは存在しない。すべきではない。誰の心の傷が一番深いかなんてない。立場違えど皆重みは同じだと強く感じた。愛が被災者として相手に向き合う姿、時に海蝶として向き合い成長する姿に心も目頭も熱くなる。独りで抱えても誰かに寄りかかってもそこに必要不可欠なのは信頼と絆。ブルーの海に一直線のオレンジ色が清々しく眩しい。

2022/06/03

モルク

海蝶忍海愛シリーズ第2弾。東日本大震災の時命を救ってもらった恩人元海上保安官佐崎との再会。そしてふたりはすぐに恋に落ちる。お互いに避ける震災の話、彼の時々見せる違和感のある態度…彼は震災PTSDを患っていた。彼を支えようとする愛はけなげだ。そして別れがちらつくふたりはフェリーで北海道への旅に向かうが、そこで事件が…その緊迫感、臨場感は、もう息をのみ読むのをやめられない。そしてラストは涙💧。被災者の序列、温度差が辛い。確かにあの日は遠くなり3・11近くではないと話題になることも少ない。もう一度考えてみよう

2022/07/26

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