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爆発物処理班の遭遇したスピン

爆発物処理班の遭遇したスピン

爆発物処理班の遭遇したスピン

作家
佐藤究
出版社
講談社
発売日
2022-06-29
ISBN
9784065279526
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爆発物処理班の遭遇したスピン / 感想・レビュー

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starbro

佐藤 究、4作目です。本書は、令和の夢野久作的短編集、オススメは、日本推理作家協会賞短編部門候補「くぎ」&「スマイルヘッズ」&「九三式」です。著者の直木賞&山本周五郎賞W受賞は伊達ではありません。今年のBEST20候補です。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000365621

2022/07/26

旅するランナー

読者の学識や理解力を問われるような、不気味なスリラー8話。量子力学応用爆弾、キメラ飼育、シリアルキラーのアート、元刑事(フォーマー·ディテクティヴ)取材、狂犬病講義など、扱われる題材に唸らされる。特に福岡市を舞台にした「猿人マグラ」は、夢野久作「ドグラ·マグラ」が引用されており、この畢竟の傑作既読者にとっては興味の尽きない話になっている。

2022/09/10

パトラッシュ

執着や好奇心が嵩じて狂気の域にまで達してしまうのは人の業なのか。歪んだ心の暴走をテーマに描く8編は、その断面を生々しく切り取って提示するだけに残酷さが際立つ。特にシリアルキラーアートを集めている作家の折原一氏が都内の画廊で開いた展示会を見たことがあるため、この手の作品の収集家を描いた「スマイルヘッズ」に興味を抱いた。言及されているジョン・ゲイシーの絵は下手なポンチ絵並みだが、何十人も殺した男の同じ手が描いたものと思うと得体の知れない恐怖を覚える。いつかこの諸作品が長編化され、悪夢の如き世界を展開するのか。

2022/07/25

青乃108号

8編の短編からなる短編集。SF風味のものやらホラー風味のものやら色々ある。①書名と同タイトル。物理学用語満載で俺には理解叶わず。②まあ面白い③一応読んだが何度読んでも寝てしまう④面白くない⑤面白い。幕切れがとても良い⑥まあ面白いが前の話と似た話⑦良い。文体が好み⑧とても良い。この暗い感じ、救いの無さ、絶望感。好み。タイトル【くぎ】=五寸くぎ。その使い道は。⑧が8編の中で1番良いので書名にするなら【くぎ】だろう。それじゃあ売れないか。

2022/12/10

ゆきねこ

佐藤究作品には毎回度肝を抜かれている。今回も然り。どんな世界を見たらこんな作品ができるのか。この宇宙とは別の宇宙にすんでいるに違いない。読書体験が、崖っぷちの縁を恐る恐る進む感じ。痛いほどの緊迫感と言い知れぬ不安。この先絶望的な展開になることは知っているのだが、予想した絶望を超えた圧倒的な破壊力。各編の怪物たちが悲しくて恐ろしい。知りたくもなかった怪物たちが勝手に自滅するのに、救いようのない絶望を覚える。この才能は、世界中の賞では評価できない。唯一無二な存在として、世界に君臨せよ、佐藤究。

2024/01/06

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