インフォデミック コロナ情報氾濫 (講談社文庫)
インフォデミック コロナ情報氾濫 (講談社文庫) / 感想・レビュー
rosetta
テレビとは視聴者の正しい理解を助ける情報を提供するものではなくて煽り炎上させスポンサーに気に入られることだけを目指すものであることは真っ当な判断力のある人なら誰もが知っている筈だと思う。「テレビを観る層のリテラシーは異様に低い」(p86)と登場人物が語るように「田舎のジジババ」は丸ごと信じてしまうのだろう。この2年以上のコロナ報道はコロナ騒ぎが終わって欲しくないと言う願いだけで続けられてきたとしか思いない。映像も場面も切り取り方でどうとでも見えるものをひたすらコロナを怖がらせる為だけに使ってきた。
2022/07/31
カノープス
初読み作家。物語によるコロナ報道振り返り。歴史に残るような作品ではない。10年というスパンも必要無い、もはや年内には全く書店から消えるような本かもしれない。しかし、このカリカチュアライズされた既視感あるテレビコメンテーターや歪んだ業界の体質はテレビ報道のある一面の真実を確実に捉えていると思う。50年後の未来に今回のコロナ報道の【本当】を残す困難。それを思うと吹けば飛ぶようなこの作品が、実は意外に重要だと気づくのだ。しおりと祖父のやりとりは、本作に深みを与えた。
2023/07/02
みやび
☆3
2022/08/23
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