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なれのはて

なれのはて

なれのはて

作家
加藤シゲアキ
出版社
講談社
発売日
2023-10-25
ISBN
9784065331439
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「なれのはて」のおすすめレビュー

作家・加藤シゲアキ 自身初の本格長編ミステリー。エンターテインメントでありつつ「生き方」を真摯に問いかける骨太さも併せ持つ『なれのはて』

『なれのはて』(加藤シゲアキ/講談社)

 この秋、注目の作家・加藤シゲアキさんの待望の新作『なれのはて』(講談社)が発表された。『小説現代10月号』(講談社)に書き下ろし全文を公開、つづいて単行本も登場する。吉川英治文学新人賞と高校生直木賞を受賞、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEARにも輝き、直木賞候補にもなった『オルタネート』(新潮社)につぐ新作は、自身初となる長編ミステリーだ。

 加藤さんといえば、作家と共に現役アイドルとしての活躍をご存知の方も多いだろう。本作は人間の業と悲しみが渦巻く人間ドラマであり、謎解きの興奮に満ちた本格エンターテインメントであり、人としての「生き方」を真摯に問いかける骨太さも併せ持つ。

 舞台は在京のテレビ局・JBCの局内。ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動となった守谷京斗は、仕事への熱意が戻らないまま休職を明けた。異動先で守谷の指導係を買って出た吾妻李久美は、そんな守谷に自分の夢――祖母から譲り受けた一枚の絵を展示したい――を熱く語る。イサム・イノマタの署名が残るものの作者は不明、しかしなんともい…

2023/10/30

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なれのはて / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

加藤 シゲアキ、3作目です。本書は、アートミステリ家族大河小説、読み応えがありました。本作で直木賞ノミネートで良いかも知れません。著者が独力で本作を執筆しているなら、旧ジャニーズを引退して専業作家で充分やって行けると思います。 https://narenohate.kodansha.co.jp/

2023/11/28

パトラッシュ

展覧会を開きたいと願った1枚の絵の由来を探るうちに、現代史に絡む様々な隠された歴史が明るみになっていく。ひとつの謎が解けたら新たな謎が立ちふさがり、戦争に引き裂かれた人間の思いが70年以上の歳月を経て見えてくるドラマの組み立ては鮮やかだ。松本清張や水上勉作品を思わせる構成の巧みさは、十分合格点に達している。ただ戦時中の軍隊生活や兄弟間の相剋描写がくどすぎたり、テーマと無関係な主人公が左遷された事情やサラ金関係の話が、エンタメとしての展開を損なっていた。書くだけでなく削ることを覚えたら飛躍するのではないか。

2024/03/27

bunmei

本作は、これまでの彼の作品とはひと味違う重厚さで、その筆致にも文芸作家として大きな飛躍を感じさせる内容。戦争からその復興、日本の油田開発、芸術、恋愛、酒蔵、名士一族の人間模様等、様々な要素が盛り込まれ、著者が念入りに取材してきた跡と本作へ意気込みも覗える渾身の長編。一枚の絵に魅了され展覧会を企画した主人公が、その絵の利権者を追う中で、秋田のある一族に辿り着く。その一族に秘められた大正から令和にかけての遍歴を辿る中、たった一日遅かった終戦の悲劇が、その絵から紐解かれていくミステリーとしての面白さもある。

2023/12/01

うっちー

作者のいくつかの思いが詰まった大作でした

2023/11/13

tetsubun1000mg

前回の直木賞候補作「オルタネート」は高校生限定のSNSを題材に使った設定で若々しいストーリーだったが、本作はTV局報道部から左遷されイベント部署に配属された30代の会社員の設定。 作者の年齢と経験に有った内容になっているようだ。 秋田県出身者ではないと思うが、秋田弁を効果的に使ってドラマを見ているかのような臨場感がある。 遥か昔の戦争の歴史も時間をかけて丹念に取材していることが分かる。 ストーリーも重層で複雑な構成となっているが終盤の邂逅シーンがモタモタした感じでもったいない。ラストはスッキリとまとまる。

2024/01/10

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