リバーベッド(4) (モーニング KC)
ジャンル
「リバーベッド(4) (モーニング KC)」のおすすめレビュー
舞台は川崎。“川底”を意味する『リバーベッド』で描く、地獄でもがく少年の物語
『リバーベッド』(磯部 涼:原作、青井ぬゐ:漫画/講談社)
「リバーベッド」とは「川底」のことだ。善悪の判断のついていない子供たちが集まったそのコミュニティでは、力のあるものが弱いものから日常的に多額の金銭を搾取し、かなわないときには集団で殴る蹴るの暴行を加える。ときに命を落とすことになったとしても気にもかけない。逃げることもかなわず、まさに「地獄」のような光景が広がっている。
そんな閉ざされたコミュニティを「川底」と評した本作『リバーベッド』(磯部 涼:原作、青井ぬゐ:漫画/講談社)は、その壮絶な状況から逃れようと必死でもがいた少年の「これは俺が死ぬまでの物語だ」という絶大なインパクトを持ったモノローグからはじまる軌跡だ。
父親の都合で主人公が引っ越してきた街では中学生の溺死事件の報道が相次いでいた。当初、自分には関係ない話だと思っていたが、友人と一緒に先輩の誘いについて行ったところ、川辺で酒を飲まされ、裸にされ、賭けの対象として川を泳がされることになる。慣れないアルコールのまわった体でそんなことをすればおぼれることも十分考えられる。冒頭のニュー…
2023/12/21
全文を読むおすすめレビューをもっと見る