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ここでは祈りが毒になる

ここでは祈りが毒になる

ここでは祈りが毒になる

作家
嶋中潤
出版社
講談社
発売日
2023-12-13
ISBN
9784065339954
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ここでは祈りが毒になる / 感想・レビュー

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いつでも母さん

久しぶりの嶋中さん。帯の『塀の向こうへ出る方法は四つ。』に誘われて、函館医療刑務所分院に勤める矯正医官・金子由衣が主人公のシリーズ第2弾(前作は未読)を読んだ。受刑者2人が続けて亡くなりその死因が腑に落ちず、真相を明らかにする顛末なのだが・・読み初めは淡々と字面を追う読書だったが、犯人捜しはいつもハズす私でも怪しいと思った受刑者の娘を通して、母と娘・受刑者と家族を慮る読書になった。ただ私的には金子にもう少し魅力が欲しいなぁ(汗)我儘読者で申し訳ない。

2024/01/09

J D

 あー!読んでしまった。前作「ここでは誰もが嘘をつく」があまりにも無惨な結末だったので、今回は少しはましかなと思い、怖いもの見たさもあり読んだのだが。結果は、前作同様倫理観の欠片も感じられない結末だった。構想も展開も面白いのになんで罪人前作は北条、今回は里奈を罰しないのだろう。この不思議な倫理観について行けない。

2024/02/17

itica

医療刑務所医官2年目となる由衣が分院で起きた受刑者の連続死の真相に迫る。母親が娘のために殺人を犯してしまったら、娘の受ける重圧はどれ程のものだろう。しかも手の届かないところにいる母は病を抱えている。そんな状況に息苦しさを覚えた。そしていつ何時道を踏み外すか分からない不確かな人生を私たちは歩んでいるのだと、恐怖を感じる瞬間もあった。存在すらあまり意識しない医療刑務所のミステリは、前作よりさらに深かった。

2024/02/02

ゆみねこ

前作の記憶が曖昧で、読み始めても中々乗れず。不摂生の極みのような妊婦・敏江の突然死、失明を恐れ死にたいと言う明美の不審な死。事件性はないとの判断だが、ヒロインの矯正医官の由衣は死因を調べる。塀の中の人より、受刑者の家族のほうが辛いことは間違いない。しかし由衣さん、上司の言う事を聞かな過ぎ。

2024/03/07

ででんでん

前作と同じく舞台は函館の医療刑務所分院。ほぼ同じメンバーのスタッフたち。今作では女性入所者の不審死?が続き、前よりも謎解きの比重が大きかったので、興味深く読み進めた。最終的には、まさにタイトルの通り「祈りが毒に」なっていたと言えるだろう。いろいろな意味が重なる重いタイトルだ。作品の底流として描かれる母と子の関係。それは愛なのか、束縛か。一見相手のための言葉と見えるものは、実は自分を許すためか。壮絶な過去をくぐり抜けてきた母と子が、まっさらな幸せを望むことは不可能なのか。母も子も辛さにがんじがらめになる。

2024/04/15

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