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失われた時を求めて(3) 第2篇 花咲く乙女たちのかげに 1

失われた時を求めて(3) 第2篇 花咲く乙女たちのかげに 1

失われた時を求めて(3) 第2篇 花咲く乙女たちのかげに 1

作家
マルセル・プルースト
鈴木道彦
出版社
集英社
発売日
1997-05-17
ISBN
9784081440030
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失われた時を求めて(3) 第2篇 花咲く乙女たちのかげに 1 / 感想・レビュー

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扉のこちら側

初読。2015年1053冊め。【58-3/G1000】圧倒的存在感のオデット改めスワン夫人。前巻「スワンの恋」でのスワンとオデットへの対比となる語り手とジルベルトだが、食い違いから疎遠になっていき、ついには初恋は終わってしまう。ジルベルトと不仲になりながらも、彼女の様子を知りたいためにスワン夫人のお茶会に顔を出し散歩のお供をする語り手に、これはスワン夫人とどうにかなってしまうのではないかと度々思ってしまった。

2015/09/14

NAO

スワンの娘ジルベルトに思いを寄せ、何年も付き合いながら実ることはなかった語り手の恋は、2巻の「スワンの恋」と見事に対になっている。だが、スワン家に出入りするようになった語り手は、そこでまずブルジョワのサロンへと足を踏み入れることになった。さらに、この巻では、父と交流を持つようになったノルポア侯爵が「文学者になるのも悪いことではない」と保証してくれたことで、語り手の将来がほぼ決定づけられたことにも注目するべきだろう。それにしても、語り手の金使いの荒さといったら!プルースト自身、かなり浪費家だったらしいが…。

2015/07/26

ナハチガル

【『失われた時を求めて』読破マラソン】キンドル英訳版全一冊から切り替えての1冊目。ジルベルトとの決別と長い長い煩悶、ベルゴットとの初対面と幻滅、ヴァントゥイユのソナタと天才についての考察、列車の窓からみた牛乳の壷を抱えた大柄な少女など、印象的な場面やエピソードに事欠かない濃密な読書だった。「まるで」や「ちょうど」で始まる長い直喩も楽しみの一つで、この巻の白眉はスワン婦人について語るノルポワ氏の描写「おっとしまった、ピストルを忘れてきたぞ。あいつら1人残らずやってしまったところなのに」でした。A++。

2016/09/24

夏子

やっと三冊目。普通の本に比べて三倍くらい時間がかかる気がします。しかも分厚いし。スワンとオデットの娘、ジルベルトとの恋が主に描かれていますがスワン婦人の服装とか社交付き合いの描写に凄く力が入っているように思えてむしろそちらへの執着が感じられた。後半、場面が変わって祖母とのバルベックへの旅行の様子が語られる。当時の上流階級のリゾート地での交流は忙しそうで折角の旅行なのにゆっくりする暇があるのかなという感じ。

2015/09/21

白のヒメ

プルーストの特徴でもある、物事を一つ描写するのにまるで違う物事を十並べて表現してみせるという、切れ目のない長いセンテンスの比喩を多用した文章も、リズムに慣れてきたのかスムースに頭に入ってくるようになってきた。一つの事を言うのにとても長いので、物語の進みは遅い。ただ、旅行先の風景描写や、出会った人物描写などの比喩には感嘆するものが多く、これがこの作品を名作と言わせているゆえんかと思いつつ読んだ。だけど!主人公は限りないヘタレで飽きれてしまう。これも作者の狙いなのか?(自分がモデルらしいが・笑)次巻へ。

2014/10/02

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