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日蝕えつきる (集英社文庫)

日蝕えつきる (集英社文庫)

日蝕えつきる (集英社文庫)

作家
花村萬月
出版社
集英社
発売日
2020-07-17
ISBN
9784087441369
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日蝕えつきる (集英社文庫) / 感想・レビュー

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taku

毒を求めたなら覚悟せよ。やってくれるぜ、まんげつぅ。時は江戸時代。残酷な昔話では読み取りが足りてない。いつの世も光差す道の陰は暗く、餓鬼道、畜生道、地獄道から這い出せず藻掻き苦しむ者がいる。救われず暗闇に飲み込まれていく者を、花村萬月はきっと愛情を持って見つめている。皆既日食の空に黒い瞳となって浮かぶ月が見届けたように。汚醜がなく、血汗垢尿糞の臭いを発することもない人形の物語なんかじゃない。作者自ら真の暗黒小説と称する会心作。装画に絵金は読んで納得。

2020/12/06

ウメ

江戸の時代、底辺に生きる人々の絶望。これ以上の絶望はないと思えた絶望のさらなる深奥をこれでもかとえぐる。もうなにも持たない彼らの命の燃え尽きる瞬間を日食の暗闇が塗り潰す。一切の光を失った漆黒だけが残る。傑作。

2022/02/19

ナツメグ

解説の「この本を読む者は希望を一切捨てよ」に尽きる。本当に救いがない。解説者は男だからか「吉弥」がいちばんしんどかったと言ってるけど、女でもいちばんキツかった。吉弥が希望を持ってたからなのかな。あと、破壊されるシーン。「次二」の岡っ引きのシーンも夢にみそう…。時代劇の岡っ引きと随分違うけど、実際はこんなだったんだろうな、とどの話も思った。これも解説者に書かれちゃったけど、コロナ禍の中、明日は我が身と思い辛さ倍増。「長十郎」がなかったら読み切れなかったかも。

2020/08/20

nori

何とも何とも、一片の救いも一筋の光明も無い。浮世の底辺で踠き、救われない暗闇で生きて暗闇に沈んだ其々の餓鬼道の物語。どんな者にも照らされる筈の太陽でさえ蝕つきるという、、、。理不尽な貧が、理不尽な蒙昧が纏わりつく。読むほどに眉間が狭まり口角が下がる、久しぶりに尖ったブンガクに浸った。

2023/05/31

vodka

途中で力尽きました。。。こんな救いのない本、初めて。読む人を選びますが、読んだ人の記憶に残る本ですね。もう一度言います、こんなに救いのない本は初めて。

2022/07/07

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