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水のかたち(下)

水のかたち(下)

水のかたち(下)

作家
宮本輝
出版社
集英社
発売日
2012-09-26
ISBN
9784087714708
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水のかたち(下) / 感想・レビュー

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chikara

幸福感に包まれながら書いています。水はりんご牛と成る事も可能で、様々な形に変わりながらも水で在ることを止めない。「水のかたち」はそう解釈してもいいかな。いつも思うのだが宮本作品の読後は感動ではなく、感謝の気持ち、読んで良かったと思わせる。

2014/09/16

藤枝梅安

終戦後、北朝鮮から150人を乗せた船で38度線を越えた「横尾文之助」さんの話を軸に、それに関わる人々を探す志乃子。誠実さが人を動かし、彼女の人生に新しい展開が開けていく。「主婦」であることの強みを生かして、あちこちに出かけるうちに、今まで気づかなかった夫の強さを再認識する。誠実に生きることの難しさ、家族や知人を大切にすること。綺麗な水のように体と心に沁み込んできて、人生の基本を再確認させてくれる小説。「人と人の繋がり」を描く現代の「教養小説」とでも言えるような作品でした。(コメントに続く)

2012/12/23

ぶんこ

善き人には善き幸せが訪れ、繋がっていく。 それを北朝鮮から引き揚げてきた一家の存在を絡めて書き上げたそうです。 色々と突っ込みたい部分があるのは、私の邪な心でしょうから、ここは素直に受け止め、感想には記さないでおきます。 「綺麗な心によって生み出されたのだから、綺麗な心その物なのだ。 それらは物であって物ではなく、心なのだ」の文を読んだときに、心がスッ〜としました。 正直に素直に、身の丈にあった生活が一番幸せなんだなぁ。 ご主人の琢己さんが素敵でした。

2015/07/06

シン

あっという間に読了。もっと劇的な結末を期待していましたが、よく考えてみると、作者は『青が散る』の宮本輝さんですから、ドラスティックな展開になるわけがないですよね。昨年夏テレビのニュース番組で戦後北朝鮮から脱出してきた方たちの特集があり、その時の話を小説化したのが、この『水のかたち』だと知り、図書館に予約し、ようやく8ヶ月後手にすることができました。読んでみると、北朝鮮からの脱出劇だけでなく、骨董品、更年期障害、夫の糖尿病、家族のことなど様々なエピソードがてんこ盛りでついつい引き込まれてしまいました。今度文

2013/06/12

ころりんぱ

平凡な主婦の快進撃…善い人々が繋がり幸運の連鎖していく様子が、でき過ぎ感があります。あとがきによると、この本の中に出てきた朝鮮からの引き揚げ話は実話に忠実に書いてあるそうで、流石に重みがありました。それから、とても面白かったのが、主人公志乃子のぼやきというか、心の中のつぶやき。いい大人、いいおばさんが、声にはしないんだけど、事あるごとにぽろっと書いてある本音が、妙に生々しくリアルで、宮本輝すごいなと思いました。女心わかってるなぁと。

2014/02/05

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