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黄金の刻 小説 服部金太郎

黄金の刻 小説 服部金太郎

黄金の刻 小説 服部金太郎

作家
楡周平
出版社
集英社
発売日
2021-11-26
ISBN
9784087717723
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「黄金の刻 小説 服部金太郎」のおすすめレビュー

今年3月に西島秀俊でドラマ化も決定した、時計メーカー「セイコー」創業者の一代記。震災と火災で2度全てを失いながらも、追い続けた夢とは?

『黄金の刻 小説 服部金太郎』(楡周平/集英社文庫)

 全てを失い、絶望の淵に沈んだ時、止まりかけた時計の針を動かしてくれるものは何だろうか。苦難を幾度となく乗り越え、禍を福へと転じ続けた男——『黄金の刻 小説 服部金太郎』(楡周平/集英社文庫)は、世界的時計メーカー「セイコー」創業者・服部金太郎の一代記。経済小説の名手・楡周平さんが鮮やかな筆致で描き出すこの物語は、起業家のみならず、ビジネスマンも必読。思うようにいかないことばかりの時代だからこそ、多くの人に読んでほしい傑作だ。

 時は明治7年。15歳の服部金太郎は、東京の洋品問屋「辻屋」で丁稚として働いていた。主人の粂吉は、金太郎の商人としての才覚をいちはやく見抜き、妹の浪子と結婚させ、金太郎を辻屋の一員として迎えたいとさえ思っていた。だが、金太郎は、いずれは時計商になりたいという思いを胸に秘めていた。どうして時計商なのか。それは、鉄道網が発達し始めた時分、これからは「正確な時間」を知ることが必要となり、今は高価で誰もが持てるわけではない「時計」の重要性が高まると考えたためだ。なんたる先見の明だろ…

2024/2/20

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黄金の刻 小説 服部金太郎 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

W-G

SEIKOの150周年記念で書かれたらしく、当然、企業の思惑も多分に入り込んだ中身になっており、金太郎は聖人君子そのものとして描かれている。案件仕事でなければ、もう少し素直に感銘を受けることも出来たかもしれない。最初の奥さんが妙にあっさり離縁になったのは、母親のせい以外にも何か裏があるんじゃないかとか、戦争特需もさらっと流しているけれども、ダーティなことがあったんじゃないかとか、描いていない部分が怪しく感じてしまうひねくれた読者としては、ご立派な人物像であるほど疑心暗鬼になる。SEIKOの時計自体は好き。

2023/07/30

starbro

楡 周平は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。セイコー140周年記念忖度作品、創業者・服部金太郎の立身出世成功譚、ワクワクしながら読みました。本書の内容がほぼ真実だとしたら、渋沢栄一も認めるだけあって凄い人物です。セイコーのブランドでは、グランドセイコーが最上級モデルですが、私はクレドールの方が好きです⌚ 本書に対抗してシチズンやカシオの創業者の一代記も出版されたりして(笑) https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/ougonnotoki/

2022/01/07

ゆみねこ

SEIKO創業者・服部金太郎の一代記。15歳で洋品問屋「辻屋」の丁稚となり、主人・粂吉に商人としての資質を高く評価される。高価ゆえに持つ人の限られる『時計』に目をつけ、いずれは時計商にとの熱い想いを抱く。金太郎が世界に名を馳せるSEIKOの創業者になるまでの物語は、飽くなき努力と先を見る目、金太郎本人の人物に惚れた人々。吉川鶴彦との友情の物語でもあった。

2023/01/23

Sato19601027

セイコーグループの創業者服部金太郎の生涯を描いた作品。 多くの災いを副に転じながら、人生を切り開いていく金太郎の姿に感銘。 特に金太郎の実業家としての資質を見抜いた辻粂吉、技術者として精工舎をともに支えた吉川鶴彦等、信頼できる人との出会いも実業で成功する要素なのだと実感。

2023/07/14

えも

セイコー創業者である服部金太郎の伝記。セイコー140周年記念作品だそうで、なるほど非の打ち所がない偉人ですよ。しかし、まあ、ねえ。あんまり清廉潔白で打ち出す策が全て当たるというのも、いかにも記念作品だよなあ…。

2022/02/01

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